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渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十一 不死コンビVS宿敵コンビ
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頂けば、いくら鬼人とて終わりだ。
愉しげに嗤う飛段の顔は直後、驚愕で歪んだ。


「俺を忘れてもらっては困るね」


再不斬の背後から現れたカカシがクナイで鎌を弾く。
三枚の刃が連なる鎌。
その繋ぎ目をクナイで押し切り、再不斬から遠ざけたカカシに、飛段はぴゅうっと口笛を吹いた。



「上手く連携しやがって…仲良しさんか!?」
「「誰がッ!!」」


宿敵同士のわりに息の合ったコンビネーション。
同時に否定する双方を、飛段はにやにやしながら見遣った。

血さえ鎌の刃先に付着してしまえば、こちらのものだが、それすらさせぬとばかりの再不斬とカカシの連携を見て、愉しげに笑う。

即座に反論する宿敵コンビに「やっぱ、仲良しじゃねぇか」とまたも揶揄する飛段へ、カカシは鎌を押しのけ、そのまま攻撃に転じた。

だが追撃する間もなく、角都がカカシに蹴りを入れる。
それを交差した両腕で咄嗟に防いだカカシだが、頭上から迫りくる能面の攻撃には対処が遅れた。


「【雷遁・偽暗】」

角都に従う能面の化け物の口から鋭い槍状の雷が発射される。
複数の槍状の雷は各々がカカシの【雷切】とほぼ互角の威力を有しているに加え、多発的攻撃を仕掛けてくる為、非常に厄介だ。
掠っただけでも相当のダメージを負うと判断し、カカシは即座にその場を離れた。

しかし、その離脱を許す敵ではない。


「遅い」

角都の腕が伸びる。切り離した腕から伸びる伸縮自在の触手。

カカシの足首を掴んだ角都がそのまま振り回す。
地面に撃墜し、苦悶の表情を浮かべるカカシへ飛段が間髪容れずに鎌を振り翳した。

しかしその行く手を、鎌よりも更に巨大な得物が封じる。


「ぐ…っ」
「軽いな」


飛段の鎌を易々と首切り包丁で退ける。
巨大な刃物を軽々と振り回す鬼人にとっては、三刃の鎌など軽い手応えだ。

飛段の鎌を弾くと同時に、鳩尾へ蹴りを入れる。吹き飛ばされた飛段が大木の幹へ強かに背を打った。

飛段と入れ替わるように、能面の化け物が再び躍り出る。
またも雷撃を放ってくる角都の分裂体に、再不斬は舌打ちした。


水遁は雷遁とは相性が悪い。
それがわかっているからこそ執拗に雷遁の性質を持つ能面をぶつけてくる角都を横目に、再不斬は眼を細めた。
雷撃を放ってくる化け物を引き連れ、地面に激突して倒れ伏せるカカシを見遣る。


能面の化け物が狙いをカカシに定めた。雷撃をカカシ目掛けて放つ。
複数の槍状の雷が、立ち上がろうとするカカシの頭上へ容赦なく襲い掛かった。


水遁を主に使う己を舐めて掛かっている化け物へ、再不斬が吐き捨てる。

「舐めるなよ」



発射された雷撃がカカシへ直撃す
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