第8節「エルフナイン」
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びた肌で累々と横たわる人々の姿。
そして、木陰に持たれて待ちぼうけている、青いメイド服の少女人形……ガリィ・トゥーマーンの姿があった。
「聖杯に想い出は満たされて……、生贄の少女が現れる」
「キャロルちゃんの仲間……だよね?」
「そしてあなたの戦うべき敵……」
「違うよッ!わたしは人助けがしたいんだッ!戦いたくなんかないッ!」
「……ちッ!」
響の言葉に舌打ちすると、ガリィは懐からジェムを取り出す。
地面に撒かれ、砕けたその中から現れたのは、10体のアルカ・ノイズだった。
「そんな……ッ!」
「きゃああああああああッ!?」
「の、ノイズじゃねぇか!?」
「これが翔たちの言っていた……」
「新種のノイズ……ッ!」
少年少女が悲鳴を上げる。
外部協力者としてある程度小耳に挟んでいたとはいえ、また間近でノイズを見る事になるとは夢にも思っていなかっただろう。
「あなたみたいに面倒くさいのを戦わせる方法は、よ〜く知ってるの」
「こいつ、性格悪ッ!」
「あたしらの状況も良くないってッ!」
「このままじゃ……」
「頭の中のお花畑を踏み躙ってあげる」
ガリィが指を鳴らすと、アルカ・ノイズ達は響らへと向かって歩き始める。
あっという間にアルカ・ノイズは、一同の周囲を取り囲んだ。
翔は学校鞄を恭一郎に手渡すと、トランクを開き、RN式用プロテクターを装着する。
純も流星に鞄を渡し、翔に続いた。
「やらせるかッ!転調・コード生弓矢ッ!」
「転調・コードアキレウスッ!」
眩き光と共に、一瞬で装着が完了する。
友人たちを守るため、響も自身のペンダントを取り出すと、精鋭を口ずさみ──
「ぁ──……、…………かはッ」
「響……?」
「……げほっ、げほっ………………唄えない」
喉がかすれたような声で、響はそう呟いた。
「いい加減、観念しなよ」
ガリィは怪訝そうな表情で響を睨む。
だが、やがてその言葉が嘘ではないと全員が悟った。
「……聖詠が、胸に浮かばない」
「響……まさかッ!?」
「ガングニールが、応えてくれないんだッ!」
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