暁 〜小説投稿サイト〜
或る皇国将校の回想録
第六部 将家・領民・国民
第八十二話 指し手はもう一人
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き
れた男は香の匂いを嗅ぎ、やれやれ、と肩をすくめた。

「唆されちゃったな」
 子供みたいな口調でつぶやき、豊久はきまり悪そうに細巻に火をつけた。

 “女性運動”か!いやはや遊び道具まで『いい子』だ、いや変に善悪にこだわるのは俺の病根だろうか。
 馬堂豊久は重くため息をついた。
 ――まったく“馬堂豊久”とは不健全極まりない男になったものだ!恐ろしい女に惚れ込んでしまったものだ、畜生!

「‥‥怖いなぁ、女って」
 それでも”豊久”は今日、この日に弓月茜に”惚れ直して”しまった――正確に言うと(あるいは新城直衛や周囲の人間に言わせると)数年かけてようやく惚れていることを自分で認めたのであった。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ