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案外歩く
第二章
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「ふわり随分動くな」
「散歩の時間長いっていうんだな」
「それで毎日遊んでな」 
 家の中での話もした。
「プールとかドッグレース場でもな」
「動き回るな」
「随分活発なんだな」
「当たり前だ、トイプードルだぞ」
 父はおかずの秋刀魚の塩焼きを食べつつ息子に言った、焼いたそこにすだちの汁とおろし大根に醤油をかけたものが実によく合っている。
「元々狩猟用の犬だろ」
「プードルはな」
「だから小さくてもな」
 愛玩用にそうなる様に品種改良されてもだ。
「プードルはプードルでな」
「狩猟犬でか」
「そうだ」 
 だからだというのだ。
「運動量は結構以上なんだ」
「そういうことか」
「そこもわかってな」
「ふわりと一緒にいないと駄目か」
「そうだ、いいな」
「それじゃあな」
「それでな、あいつ等はな」
 父は秋刀魚をおかずにご飯を食べながら息子に怒った顔になって話した。
「そんなことは無視してな」
「赤ちゃんが出来たらか」
「毎日行っていた散歩も行かなくなってな」
「それで赤ちゃん家に入るとか」
「一日中ケージに入れてな」
「運動も一切させなかったんだな」
「それだけで犬を飼う資格はなしだ」
 一切、そうした言葉だった。
「あの馬鹿共はそんなことも知らなかったんだ」
「トイプードル飼うなら知っておかないと駄目か」
「知らなくても好きなだけ運動させる」
「散歩に連れて行かない、一日中ケージに入れたままは論外か」
「そうだ、だからな」
「俺達はあの人達と違うからか」
「何から何まで悪い手本にしろ」
 ふわりを飼うことについてはというのだ。
「そしてこのことでもな」
「悪い手本にしてか」
「絶対にするな、そしてな」
「これからもか」
「ふわりを散歩に連れて行ってな」
 朝夕二回それぞれ一時間位ずつだ。
「そしてな」
「健康に過ごさせるんだな」
「身体も心もな」
「そうすることだな」
「それで今日も飯沢山食っただろ」
 父は息子に聞いて来た。
「そうだろ」
「たっぷりと食ったよ、水も飲んだし」
「それならいい、じゃあな」
「ああ、明日もな」
「ふわりはうんと運動させるぞ」
「ふわりの好きな様にな」
「犬は元々動くのが好きで狩猟犬は特にそうだ」
 この種類の犬はというのだ。
「だからな」
「トイプードルもプードルだからか」
「狩猟犬だぞ」
 プードルはプードルだからだというのだ。
「それならだ」
「運動量も多くてか」
「それに応えろ、あいつ等みたいになりたくなかったらな」
「それじゃあな」
「ああ、本当にな」
「そうしろ」
 こう言ってだった。
 父はゴーヤともやしを炒めたものも食べた、そのうえで。
 さらに食べ続けた、そして二人で
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