パステルパレット
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ら入ってくる長い金髪の少女は、ハルトの姿を見ると顔を強張らせた。
「……誰ですか?」
「おや? 彩さんの追っかけですか?」
強張らせた少女の後ろから、眼鏡をかけた少女が現れる。アイドルというよりはメカニックが似合いそうな風貌の少女は「フヘへ」と肩を揺らして笑った。
「彩さん、自分にファンなんていないって言っておきながら、ちゃんといるじゃないですか」
「ち、違うよ二人とも。この人は、日菜ちゃんに会いに来たんだよ」
彩が苦笑しながら言った。
「あ、こちら、私や日菜ちゃんと同じ、パステルパレットの白鷺千聖ちゃんと、大和麻弥ちゃんだよ」
「ごめんね、邪魔しちゃって。松菜ハルトです。……それじゃあ、ここには日菜ちゃんはいないみたいだから、俺は行くね」
ハルトはそう言って、パステルパレットの控室を去ろうとする。
だが、「待ちなさい」と、千聖が呼び止めた。
「貴方、どうやってここに? 日菜ちゃんに会いに来たって、いくら何でも怪しすぎない?」
「え?」
彼女の怪しい目線に、ハルトは戸惑う。
「日菜ちゃんのお知り合いの様子ですが、ここに入るには関係者用のパスが必要なはずです。持っていないようですが、不法侵入ですか?」
「それは……」
ハルトは説得の仕方を逡巡する。
ここで時間を取られたくない。いっそのこと、スリープで眠らせてしまおうかと危険な思想さえ芽生えてしまった。
千聖の槍玉が、次は彩に向けられる。
「彩ちゃんもよ。本番前の大切な時間に、練習ないし集中しないのはちょっと不用心すぎるわ」
「う……ごめんなさい」
千聖の説教に、彩が落ち込んだ。ツインテールが生き物のように萎れたのを見て、あれ可動式なのかと驚いた。
「フヘへ。それより、お兄さんは日菜さんのお知り合いですか?」
説教を続ける千聖を放っておいて、麻弥がハルトに話しかけてきた。
ハルトは頷く。
「日菜ちゃんに、ちょっとお姉さんのことで話したいことが……」
「お姉さん? 日菜さんが時々言ってる、大好きなお姉さんのことですね。日菜ちゃん、今日はさっき遅れてきたんですよね。今、スタッフから最終連絡を色々受けていますよ。連れてきましょうか?」
「麻弥ちゃんまで!」
鋭い声が、今度は麻弥を突き刺す。
麻弥は「ふへへ」と鼻を擦り、
「まあいいじゃないですか。少しで終わるなら。それじゃあ、日菜ちゃんを連れてきますね」
麻弥は手を振りながら、控室を出ていく。
だが、そんな彼女を見送る千聖の顔がどんどん険しくなっていく。
「あの……千聖ちゃん?」
「はあ……例外なんて認めません」
千聖はそう言いながら、自らのスマホを荷物
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