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IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
トレーニング!
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 「はっ、はっ、はっ・・・・」

 汗が後ろへ飛ぶ。
 体が弾み、前へ進むたびに風が顔を撫でる。
 柔らかな春の日差しの中、俺は絶賛ランニング中だった。

 前世で、なんの努力も無しに一番を取り続けてきたせいで、負けることに慣れていなかった。
 一週間前の事だ、俺は一人の少年とけんかをしてボロクソ負けた。
 理由はなんだったか、たしか公園でブランコの取り合いになって、口論の末実力行使に。
 先に手を出したのは俺だ。
 後から考えてみれば悪いのは俺であり、あの少年に非は全くないんだ。
 だけど俺は手を出して、そしてボロボロになるまで殴り合い、負けた。

 俺は5歳だ。相手も5歳だった。
 同じ年の奴に負けることが、こんなにも辛いとは思いもしなかった。

 そしてその日から、俺はトレーニングを始めることにした。

 幸いなことに、父の書斎にあった格闘漫画を参考にしてメニューを考える。
 結果、下手な筋トレを行うよりも体力をつけたほうがいいという結論に。

 そして毎日、家から少しはなれたところにある、川原の土手の道を走っている。
 ここは近所のジムに通うボクサーの人も走るコースだ。
 アスファルトがかなり長い距離続いていて、とても走りやすいのだ。

 「おう、頑張るなぁ坊主」

 今、俺の横にピタリと並んできたのは、ボクサーの竹さん。
 プロで新人で有望株と言われているらしい。
 背が高くて、俺は見上げると首が疲れるという印象がある。

 「はい、負けたくない相手が出来ましたから!」

 「おう、いいじゃねーか!男はそうでなくちゃな!」

 竹さんは俺が走っているところを見つけると、こうして並んで走ってくれる。
 そのペースは俺と同じ様でいて、実は少し速め。
 俺がそのペースにあわせると、自然と限界ギリギリまで引き出せるという感じで、不思議なことにかなりいいトレーニングになっている。

 「と、俺も試合近いからよ。行くわ」

 「は、はい!頑張ってくだ、さい!」

 「ありがとよ!!」

 息も絶え絶え。
 かなりペースを上げられて、俺は上手く喋れない中、竹さんは余裕そのもの。
 くそ、なんだか悔しいぞ。

 爽やかスマイルで去っていく竹さんを追いかけようとペースを上げるが、見る見る差を広げられ、あっというまに居なくなってしまった。

 子どもと大人だ。
 勝負にならないことは分かっていても、悔しいものは悔しい。

 なんとか竹さんに勝てるようになりたい。

 「ま、まずはアイツに、勝って、次は、竹さんだ!」

 いつの間にか、俺の目標に竹さんが追加された瞬間だった。


 


 「ただいまー」

 汗だくだくで家に着いた。
 
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