暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第7節「歌姫の帰還」
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「喚くな!大人しくしていろッ!」

後ろの方では、手錠をかけられたツェルトが黒服に押さえつけられていた。

マリアは黒服たちを、そしてツェルトの方を静かに見回すと、翼のインカムを耳から外す。
そして彼女は、周囲に聞こえる声量でハッキリと言った。

「風鳴司令──私とツェルトの、S.O.N.G.への転属を希望します」
「マリィ……」

黒服の腕を逃れようと足掻いていたツェルトが、その一言で動きを止めた。

「ギアを持たない私ですが、この状況に偶像のままではいられません。ツェルトも同じ気持ちのはずです」
「……ハハッ、やっぱりマリィは最高だな」

マリアから向けられた視線に、ツェルトはニヤリと笑って返す。



それから、マリアとツェルトのS.O.N.G.転属が決定するのに時間はかからなかった。

そして、翌日の昼過ぎには……。

「翼さーんッ!マリアさーんッ!」
「マリア姉さんッ!ツェルト義兄さんッ!」

帰国した翼たちに手を振る響。
久し振りに顔を合わせるマリアとツェルトに、思いっきり抱きつくセレナ。

それから皆、口々に4人を出迎える。

「姉さん、緒川さん、おかえり」
「おかえり、先輩」
「マリア、おかえり」
「おかえりなさいデスッ!」
「おかえりツェルト、元気してた?」

久し振りに顔を合わせた、温かい仲間たち。
その明るさに、翼は穏やかな笑みを浮かべて呟いた。

「……ただいま、みんな」

ff

その日の夕刻、S.O.N.G.本部潜水艦ノーチラスの発令所には、11名の少年少女が集合していた。

響に翼、奏、クリスの二課出身のシンフォギア装者。
マリアにセレナ、調、切歌ら、元F.I.S.の装者。
そしてRN式伴装者である翔と純、ツェルトの3人。

以上11名が揃うのは、フロンティア事変の最終局面以来である。

「シンフォギア装者勢揃い……とは言い難いかもしれないな。まずはモニターを見てくれ」
「これは?」

スクリーンに映し出されたのは、翼とクリスのペンダント。シンフォギア・システムのギアコンバーターだ。
割れてこそいないが、アルカ・ノイズに触れられた部分からヒビが入っており、傷になっている位置には『SERIOUS DAMAGE(深刻な損壊)』と表示されている。

「新型ノイズに破壊された天羽々斬とイチイバルです。コアとなる聖遺物の欠片は無事なのですが……」
「エネルギーをプロテクターとして固着させる機能が、損なわれている状態です」
「セレナのギアと同じ……?」

マリアはネフィリムとの戦いの後、真っ二つに折れたセレナのギアペンダントを見つめる。
翼とクリスのギアがそれと同じ状態だと言われれば、被害の大きさはよく実感出来
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ