第7節「歌姫の帰還」
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「喚くな!大人しくしていろッ!」
後ろの方では、手錠をかけられたツェルトが黒服に押さえつけられていた。
マリアは黒服たちを、そしてツェルトの方を静かに見回すと、翼のインカムを耳から外す。
そして彼女は、周囲に聞こえる声量でハッキリと言った。
「風鳴司令──私とツェルトの、S.O.N.G.への転属を希望します」
「マリィ……」
黒服の腕を逃れようと足掻いていたツェルトが、その一言で動きを止めた。
「ギアを持たない私ですが、この状況に偶像のままではいられません。ツェルトも同じ気持ちのはずです」
「……ハハッ、やっぱりマリィは最高だな」
マリアから向けられた視線に、ツェルトはニヤリと笑って返す。
それから、マリアとツェルトのS.O.N.G.転属が決定するのに時間はかからなかった。
そして、翌日の昼過ぎには……。
「翼さーんッ!マリアさーんッ!」
「マリア姉さんッ!ツェルト義兄さんッ!」
帰国した翼たちに手を振る響。
久し振りに顔を合わせるマリアとツェルトに、思いっきり抱きつくセレナ。
それから皆、口々に4人を出迎える。
「姉さん、緒川さん、おかえり」
「おかえり、先輩」
「マリア、おかえり」
「おかえりなさいデスッ!」
「おかえりツェルト、元気してた?」
久し振りに顔を合わせた、温かい仲間たち。
その明るさに、翼は穏やかな笑みを浮かべて呟いた。
「……ただいま、みんな」
ff
その日の夕刻、S.O.N.G.本部潜水艦ノーチラスの発令所には、11名の少年少女が集合していた。
響に翼、奏、クリスの二課出身のシンフォギア装者。
マリアにセレナ、調、切歌ら、元F.I.S.の装者。
そしてRN式伴装者である翔と純、ツェルトの3人。
以上11名が揃うのは、フロンティア事変の最終局面以来である。
「シンフォギア装者勢揃い……とは言い難いかもしれないな。まずはモニターを見てくれ」
「これは?」
スクリーンに映し出されたのは、翼とクリスのペンダント。シンフォギア・システムのギアコンバーターだ。
割れてこそいないが、アルカ・ノイズに触れられた部分からヒビが入っており、傷になっている位置には『SERIOUS DAMAGE』と表示されている。
「新型ノイズに破壊された天羽々斬とイチイバルです。コアとなる聖遺物の欠片は無事なのですが……」
「エネルギーをプロテクターとして固着させる機能が、損なわれている状態です」
「セレナのギアと同じ……?」
マリアはネフィリムとの戦いの後、真っ二つに折れたセレナのギアペンダントを見つめる。
翼とクリスのギアがそれと同じ状態だと言われれば、被害の大きさはよく実感出来
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