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レーヴァティン
第二百十六話 王国の終焉その十一

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「それで日本はさらに勝利に近付いた」
「海で勝ってな」
「勢いに乗った」
「それが大きかったな」
「日露戦争にとってな」
「そうだよな」
「若しあの戦争に敗れたらな」
 その時はというのだ。
「日本はどうなったか」
「そうした戦争でな」
「陸の旅順、奉天にだ」
「海の黄海とその戦いで勝ってな」
「日本は何とかだ」
 薄氷の勝利であった、だがそれでもというのだ。
「勝ったことは事実だ」
「それで生き残れたな」
「何処ぞの小説家が勝ったことになっているとか言ったが」 
 それでもというのだ。
「勝利は勝利だ」
「そうだよな」
「そしてその中の重要な一戦の勝因にもだ」
 それにもというのだ。
「なっている」
「波が高いことはな」
「そうだ、時としてはな」
「使えるな」
「そういうことだ」
「時と場合による」
 久志は考える顔で言った。
「どんなことでも」
「そういうことだ、そして今は波が静かだが」
「今の俺達には有り難いな」
「対岸にいる敵軍に艦砲射撃を浴びせるな」
「ああ」
 久志は芳直に確かな顔と声で答えた。
「そうして敵の防衛ラインに穴を空けてな」
「地雷原もあるがな」
「それもな」 
 艦砲射撃によってというのだ。
「吹き飛ばしてな」
「上陸するな」
「上陸してまずは橋頭保を築く」
 そうするというのだ。
「そうしてからだ」
「主力を上陸させていき」
「どんどん連合王国領に入り込んでいくぜ」
「そうだな、ではな」
「まずは対岸に行くな」
「さて、上陸の時は」
 今度は剛が言ってきた。
「海兵隊をね」
「進ませるな」
「やっぱり上陸とか接舷戦になると」
「海兵隊だな」
「彼等の仕事になるよ」
「そうだな、まあ正確に言うとな」 
 久志はここで笑ってこうも言った。
「この浮島は海はないからな」
「海兵隊とは言わないね」
「ああ、けれどな」
「この世界ではね」
「海はあるからな」
 二つの浮島の下に拡がっている、それは今現在は広大な世界の殆どを包み込んでいる広大極まる海である。
「そう言っていいな」
「そうなんだよね」
「それでその海兵隊をな」
「使うね」
「ああ、職業で言うとバイキングや海賊が多いな」
「まさに海の戦士達だよ」
「あいつ等を先陣にして」
 そうしてというのだ。
「突っ込ませるな」
「艦砲射撃の後でね」
「その用意は出来ているしな」
 だからだというのだ。
「その時が来れば」
「そうしてね」
「橋頭保を築くな、それと」 
 久志はここで空も見上げた、そこにある空船達を見て言った。
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