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レーヴァティン
第二百十六話 王国の終焉その十

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「そうしているな」
「そしてあの島をな」
「攻めていってるな」
「そうする為に向かっている」
「そうだな、じゃあな」
「このまま上陸するな」
「対岸の敵軍を退けてな」
 そうしてというのだ。
「上陸するな」
「そして物資はカレーとかからどんどんか」
「運んでいくぞ」
「補給路も確保するか」
「湖のそれもな」
 そちらもというのだ。
「それ任せよ
「頼むぜ、若しな」
 久志も言って来た。
「今回は制湖権がなくなったら」
「帝国軍は上陸してもな」
「餓え死にするからな」
「だからだ」
「任せろっていうんだな」
「そのことは一番わかっているつもりだ」 
 芳直自身がというのだ。
「水軍を率いているからな」
「それだけにか」
「最もだ」
 それこそというのだ。
「わかっているつもりだ」
「じゃあ頼むな」
「しかとな、幸い今の季節波は低い」 
 芳直は微笑んでこのことも言った。
「だからな」
「船は進みやすいか」
「だから尚更いい」
「波は普通の時は低いに限るな」
「戦で敵が波に馴れていないなら別だが」
「日露戦争の時みたいにか」
「ああした場合はだ」
「波が高くてもいいな」
「敵が操艦に馴れていないとな」
「しかも疲れてるとか」
「尚更だ」
「波が高い方がいいか」
「あくまでこちらの技量が上でだ」
 操艦のそれがというのだ。
「そしてだ」
「疲れていないとか」
「いい」
 それならというのだ。
「これで操艦が未熟でな」
「疲れてると同じだな」
「だから日露戦争の海戦は勝てた」
「日本海でな」
「敵は長旅で疲れていてだ」
「練度も低くてな」
「しかも士気も落ちていた」
 長旅で疲弊しきっていてだ。
「相当にな」
「そうだったよな」
「何しろバルチック海から日本まで来た」
「七ヶ月もかけてな」
「そうだったからな」
 それ故にというのだ。
「もうバルチック艦隊は疲弊の極みにあった」
「それで波が高いとな」
「連合艦隊にとって有利だった」
「それで勝てたな」
「それも圧勝だった」
 戦史上稀に見るまでのワンサイドゲームだった、芳直は久志に話した。
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