暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第93話:剣を手折る槍
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能性は盲点だったのだ。調がウェル博士達のやり方に同調できなくなり、離反した今、彼女が犠牲となる可能性はゼロではない。
「じゃあ……じゃあどうすればいいんデスか!? フィーネの魂に塗り潰されて、アタシがアタシじゃなくなっちゃうこんな状態に、アタシはどうすればいいんデスかッ!?」
「フィーネの魂に? 君が?」
「ほほぉ?」
切歌のカミングアウトに、颯人だけでなくメデューサも動きを止めた。颯人は颯人で、マリアがフィーネの人格を持っていないだろう事は予想していた。
だが代わりに、切歌が憑代になっていたとは予想外だったのだ。
しかも、その事を知っている者はF.I.S.にも居ないだろう事はメデューサの反応から予想できた。
しかしここで新たな疑問が湧く。以前のフィーネとの会話から予想する限り、フィーネによる魂の塗り潰しは殆ど一瞬と言うかあっと言う間の出来事のように思えた。了子がフィーネの存在を後になってから自覚したのが、後遺症による前後の記憶の損失でない限りはその筈だ。
特に切歌は誰よりもフォニックゲインの近くに居る装者だ。フィーネが覚醒する時間は幾らでもあった。こんな風に、自己の消失を恐れる時間があるとは思えない。
「……本当に君がフィーネの憑代なのか?」
「……どう言う意味デスか?」
「そのままの意味だよ。何をもって君は自分をフィーネの憑代だと――」
〈イエス! キックストライク! アンダスタンドゥ?〉
切歌に詳しい話を聞こうとした颯人だったが、それをメデューサが遮った。魔力を集束させた飛び蹴りが飛んできたので、颯人は慌てて切歌から距離を取った。
「うぉっ!?」
「面白い話を聞かせてもらった。となると、このままこいつをやらせる訳にはいかないな」
「メデューサ、テメェ――!?」
忌々し気に唸る颯人だったが、メデューサはそんな彼の事など無視して切歌を下がらせた。
「お前は退け、暁 切歌。ここは私が受け持とう」
メデューサの提案に反論しようとした切歌だったが、彼女は彼女で思うところがあったのか大人しく引き下がっていく。
もしかすると後ちょっとで切歌を説得できるかもと言う所でそれを邪魔した、メデューサに対し颯人は怒りを露にする。
「お前ってホント余計な事しかしてくれねぇよなぁ?」
「散々お前らが私達の邪魔をしてくれているんだ。人の事を言えた義理では無いだろう?」
これ以上舌戦でやりあっても埒が明かない。颯人はメデューサといい加減決着をつけようと気合を入れ直し――――
「こんなの脱いじゃえ! 未来ぅぅぅぅぅっ!!」
響の絶叫が、彼女と未来の姿と共に一条の光に呑み込まれるのを横目に見た。
「ッ! 来たッ!!」
〈チョーイイネ! スペシャル、サイコ
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