暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
氷結の魔人
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
号令により、レイキバットが本来の位置であるベルトに収まる。
 ようやく隙ができた。
 改めてウィザードへ変身を試みようと、ハルトはルビーの指輪へ手を伸ばすが、それよりも先にレイが迫る。

「やばい!」
「変身!」

 だが、それよりも先に、真司がハルトの前に割り入り、変身する。無数の鏡像と炎とともに、その姿が龍騎へと変わる。
 同時に、レイの拳が龍騎の装甲を穿つ。
 龍騎も負けじと腕を掴み、レイを押し返す。

「真司!」
「先に行けハルト! こんなところで二人とも足止め食らうわけにはいかねえ!」
「あ、ああ!」

 頷いたハルトは、スイムスイムの後を追って走りだす。

「させませんよ」

 レイはそう告げながら、龍騎を突き飛ばし、生身のハルトを狙う。
 だが、その腕は龍騎によって掴み、避けられる。
 レイの腕がコンクリートを砕き、破片が散る。

「行け! ハルト!」
「ありがとう!」

 ハルトは礼を言って、スイムスイムが泳ぎ去っていった方向へ走り去る。



 龍騎を振り払ったレイは、しばらくハルトが去っていった方を見つめていた。

「まさか、逃がしてしまうとは……」
「へへっ、悪いな。しばらくの間は俺が相手してやるから、許してくれよな」

 龍騎が鼻をこすりながら言う。

「まあいいでしょう。先にあなたを八つ裂きにすれば済む話です」
「させねえよ。お前の戦いも、俺が止めてやる!」

 龍騎はそう言って、ファイティングポーズを取る。

「出来ますかね……? あなたに」

 レイはどこからともなくフエッスルを取り出す。それを迷いなく、ベルトのコウモリに噛ませた。

『ウェイク アップ』

 コウモリがそう告げると、レイの両腕の鎖が弾け飛ぶ。
 そして、解放された腕からは、凶悪な鉤爪が伸びた。

「なんか……氷といい、東條の奴を思い出すな」

 レイは鉤爪を構え、龍騎に踊りかかる。

『ソードベント』

 鉤爪の攻撃を避けながら、龍騎はカードを左手のドラグバイザーに装填する。
 召喚された青龍刀で、さらに追撃を行うレイの攻撃を捌く。
 さらに、切り上げによってレイの鉤爪を流し、開いた隙にドラグバイザーがついた左手で殴る。

「ぐっ……!」

 レイも思わぬ反撃に驚いたのか、地面を転がる。

「まさか、反撃してくるとは思いませんでしたよ」
「だったら、もう戦うのは止めろ! これ以上戦う必要なんてない!」
「そうはいかないんですよ……私を葬ってくれた人への報復のためにも、新しい命が必要なんです」
「新しい命……」

 そのワードを、龍騎は反芻した。
 レイは、口から白い粉雪を吐き出す。
 それは、周囲の景色を白く染め上げ、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ