篠ノ之『箒』
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」
「そっか! サンキュー箒!!」
「ふ、ふん!」
うん、私の出る出番は無さそう。これなら篠ノ之さんの思いに一夏さんも……
一夏さんにばれないように篠ノ之さんに耳打ちをする。
「良かったですね。告白頑張ってください篠ノ之さん」
「な! わ、分かるのか?」
私の耳打ちに箒さんが顔を真っ赤にして振り向きました。
「それはもう」
「そ、そうか。ありがとう……それからカスト。その……苗字で呼ぶのは止めてくれ。私は箒という名前がある」
「あ、分かりました。では箒さんと。私もカルラでいいですよ」
「む、そうか。ではそう呼ぶとしよう……それからな、カルラ」
「はい?」
「このことは一夏には黙っていてくれ、頼む」
顔を赤らめたまま呟いた箒さんの言葉に私は黙って頷きました。
やっぱり篠ノ……箒さんは一夏さんが関わらなければいい人のようです。初めてこの人の素の笑顔を見れた気がしますよ。
――――――――――――――――――――――――――――――
放課後の剣道場
「どうしてこうなったんでしょう……」
「どうしてこうなっているんだ……」
私と箒さんがほぼ同時にそう呟きました。
事の発端は授業が終わって直ぐ。二人が剣道場に行くのを見守っていると一夏さんに私も一緒に来てくれと強制連行されました。以上。
「だから、カルラにも教えて欲しいんだって言ったろ?」
「諦めろ、あいつは言い出したことは曲げない。多分カルラが頷くまでこんな感じだぞ?」
箒さんがもう慣れたといった風に肩を竦めます。
「箒さんは一夏さんのこと、よく理解しているんですね」
「そりゃ箒は俺の幼馴染だからな!」
聞こえていたのか一夏さんがそう言った。なるほど。幼馴染……高校で再会した幼馴染。片思いとそれに気づかない鈍感男……
どっかで聞いたような話が始まりそうな予感ですね。しかもBADEND臭がプンプンするんですけど……
「分かりました。でも放課後はそこまで時間はありませんし、それに一夏さんのISも届いていないそうなので、一応訓練機の使用許可を求めてみましょう。それが出たなら私が可能な限り教えますよ」
「そうか! 二人とも、ありがとうな!」
「言っておきますけど使用許可は自分で出してくださいね。そこまで面倒は見ませんよ」
「おう!」
そう言って一夏さんは笑顔を向けてきました。天然ジゴロとは正にこのような人を言うんでしょうね。ここまで純粋な笑顔を向けられるとこっちが照れてしまいます。
そこからはしばらく私は見学。一夏さんが箒さんと打ち合うのを見ているだけです。こうやって見ると箒さんの剣道の腕は凄まじく、様々な技を駆使して一
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