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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
篠ノ之『箒』
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ないだろ。カルラなら」

 ああ、もう! この人は何でつい昨日知り合いになった人にここまで断言できるんでしょう?
 それに相変わらず篠ノ之さんの好意に気づいていないのも問題です。

「箒、どうした?」

「なんでもない」

「な、なんで怒ってるんだよ? 俺何かしたか?」

「何でもないと言っている」

「嘘つけ、顔が怒ってるじゃないか」

「この顔は生まれつきだ」

 そう言って篠ノ之さんが残りのご飯を一気に掻き込みました。
 ああ! そんなことしたら!

「むぐ!」

 ああ、やっぱり。案の定喉につまらせたようです。

「だ、大丈夫ですか?」

 私が背中を摩りながら水を手渡すと、篠ノ之さんが一気にそれを飲み干しました。

「す、すまない。迷惑をかけた」

「いいえ、篠ノ之さんこそ大丈夫ですか?」

「ああ、問題ない」

「なにやってんだか」

「ねえ、君って噂の男の子でしょ? 代表候補生と喧嘩するってことになった」

 急に話かけられて3人の視線がそちらに向くと一人の女性が立っていました。帯の色が3年生の赤色……ということはこの人は3年生ということですか。IS学園は胸元のリボンの帯の色で学園が分かるようになっています。私たち1年生は青、2年生は黄、3年生は赤。そして目の前の人の帯の色は赤色です。

「良かったら、私が教えてあげようか?」

「結構です、私が教えることになっていますので」

 篠ノ之さんがその人が言い終わる前にその人に言い放ちました。

「あなたも1年生でしょ? 私は3年生。私のほうが上手く教えられると思うけど?」

「私は……篠ノ之束の妹ですから」

 言うときに少し苦そうな顔をして言っていました。篠ノ之束の妹、という位置づけは相当苦労しているらしいですね。姉の名前を嫌がりながらも使うほど一夏さんのことが好きなのでしょう。

「そ、そう。で、でも……」

 
 束博士の妹ということに驚いたのが丸わかりですが、引き下がってもらえません。これは助け船を出しておきましょう。

「大丈夫ですよ。私も教えますので」

「え?」

「こう見えてもオーストラリアの代表候補なので」

「そ、そう……頑張ってね……」
明らかに肩を落としたその3年生は渋々ながらに元の席に戻っていきました。
 束博士の妹と代表候補生では自分の出る幕はないと感じたようです。これが代表候補生なら食いついてくるのでしょうが、今の3年生は代表候補生のデータベースに顔載ってませんでしたし大丈夫でしょう。

「教えて……くれるのか……?」

 そんなことを考えていると一夏さんが箒さんに向かって嬉しそうな声を上げていました。

「放課後に剣道場に来い
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