アイングラッド編
追想編
黒の剣士 02
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side シリカ
午前7時、起床アラームで起きたあたしは広く感じるベットを不思議に思い、奥に手を伸ばした。
むにゅ、という感触が手に伝わり、慌てて振り返るとすやすやと眠る銀髪の男性がいた。
それを認識した瞬間に昨夜、この訪ねた部屋で寝てしまったことを思い出し、かあっと顔が熱くなった。
レイに頭をなでられている内に段々と瞼が重くなり、そのまま寝てしまったのだ。
手は今だに触れた場所、頬に当たりっぱなしだ。慌てて手を離してもレイは起きる様子がない。
昨日のひと騒動からは想像も出来ないぐらい、あどけない寝顔だ。一方、床にはキリトが寝ていた。こちらも負けず劣らずあどけないもので思わず微笑した。
いつまでもそうしている訳にもいかないので取り合えず、肩をつつきながら起こす。
「キリトさん、朝ですよー」
その途端、キリトはぱちりと目を開けると、瞬きを繰り返しながらシリカの顔を数秒間見つめた。
すぐにあたふたしながら、
「あ……ご、ごめん!」
いきなり頭を下げた。
「起こそうかと思ったけど、よく寝てたし……レイは躊躇なしに隣で寝始めるし、それで……」
「い、いえ、あたしこそ、ごめんなさい!ベットを勝手に占領しちゃって……あ、レイさんも起こさな……「わあ、待った待った!」……へ?」
レイさんの肩をつつこうとしたあたしの手をキリトさんが慌てて掴んだ。その感触でもドキドキしてしまう自分が不甲斐ない。
「レイは起こされるといつもの七割増しで機嫌が悪いんだ。放っておいて朝食に行こう」
「そ、そうなんですか」
2人は、今だすやすやと眠るレイを置いて、下に降りていった。
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「ねむ……」
ひゅんっ、と音をたてて紅蓮の大太刀が振るわれる。
「しっかりしろ。47層とはいえ、難易度の高いダンジョンだぞ」
ズバババっと高速の剣閃がモンスターを切り刻む。
「おーう……」
モンスターのツタ攻撃を掻い潜り、急所に一撃入れて瞬時に葬り去る。
「…………」
正直、寝ぼけたレイはいくらハイレベルプレイヤーとはいえ、フィールドに出るのは危険じゃないかと思ったが、今の様子を見る限り、そんな心配は杞憂だったようだ。
「よっ……と」
最後の1体がレイの一撃を受けて爆散すると、こっちに声をかけてきた。
「おーい、シリカー、戦い方解った?」
「あ、はい。解りました。ありがとうございます!」
「んー
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