アイングラッド編
追想編
黒の剣士 02
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ザリアさんも額に青筋浮かべてる気がするけど、遠くにいるからきっと目の錯覚に違いない。
「残念なことに、年下好みっていってもそんな外道なことはしないよ……と、そろそろいいか?」
「あ?」
「レッドギルド強行捕縛旅団《紅蓮の夜》、団長『紅き死神』と副長『黒の剣士』って言えば分かる?」
その声がフィールドに響き渡ったとき、賊の1人がピタリと止まり、震えながら声を発した。
「『紅き死神』、『黒の剣士』……だと?」
片や、銀髪に燃えるような赤の瞳、紅蓮の大太刀を振るい、敵を両断する。
片や、漆黒の髪と目、盾無しの片手剣で、敵を討つ。
しかし、それが誰であるかは噂が一人歩きし、不明だった。
「まずいよ、ロザリアさん……こいつら《笑う棺桶》すら恐怖するっていう。攻略組の《レッド狩り》だ!!」
「……いや、それ嘘だから」
「な、なに言ってんだい。あんな眉唾物の幻を信じているのかい!!もし本当だとしてもこれだけの人数だ。恐れるに足らないよ!!」
その言葉に鼓舞され、20人ぐらいのプレイヤー達が一斉に襲いかかり、一瞬で地面にひれ伏した。
「え……?」
「シリカ、レイの手を見てみな」
キリトに言われるままにレイの手元に視線を動かすと、そこには小ぶりの短剣が握られていた。
「麻痺毒による敵の無力化。シンプルで簡単な捕獲方法だ」
レイはそのままロザリアに近寄っていく。
「あんた……私を傷つけたらあんたもオレンジだよ」
「まあ、そんときゃ別の犯罪者ギルドでも襲って暇潰ししてるからあっという間にグリーンさ……コリドー・オープン」
いつの間にか取り出した回廊結晶にロザリアをひょいっと持ち上げて放り込み、次に20人のオレンジプレイヤーを放り込んだ。
やがて、ゲートが閉じるとレイは振り替えってシリカに済まなそうに微笑んだ。
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「……済まなかった」
35層の転移門広場には3人の人影があった。
「お二人とも……行っちゃうんですか……?」
「ああ……。3日も前線を離れちゃったからな。すぐに攻略に戻らないと……」
「……お前はそんなに真面目にやってたか?」
「うるせ……」
少女は俯く、残酷な迄に自分と彼を引き離した実力差。
最前線について行ったところで、自分は一瞬で殺されてしまう。
それは火を見るより明らかなことだった。
溢れる気持ちを抑えようとしていたとき、ふと
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