アイングラッド編
追想編
黒の剣士 02
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「い、いいから降ろして下さい〜」
その後、拗ねたシリカはレイにあの手この手で懐柔され、1分ほどで元に戻りましたとさ。
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「うわあ……!」
「とうとう着いたな」
「やれやれ……意外と手間取ったな」
《思い出の丘》最奥部に着くまでの最後の一本道がエンカウント率が非常に高いため、かなり疲れた。
「ここに……その、花が……?」
「ああ。真ん中あたりに岩があって、そのてっぺんに……」
キリトの言葉が終わらないうちに、シリカは走り出していた。
岩に駆け寄り、その上を覗き込む。
「え……」
そこに花らしきものはなかった。
「ない……ないよ、キリトさん!」
「そんなはずは……。――いや、ほら、見てごらん」
シリカが再び視線を戻すと、そこには一本の若い芽が伸びようとしているところだった。
やがて、しゃらん、と鈴の音を鳴らして花が開いた。
手を伸ばすと花だけを残し、シリカの手に残った。
「これで……ピナを生き返らせることができるんですね……」
「ああ。だけど、ここは強いモンスターが多いから街に帰ってからの方がいいな」
「あともう少しだ。頑張れよ」
「はい!」
帰り道はほとんどモンスターに出くわすことなく、麓までたどり着いた。小川に架かる橋を渡ろうとした時、不意にキリトの手が肩に掛けられた。
どきんとして振り替えると、キリトとレイが厳しい顔で橋の向こうの木立の方を見ていた。
「レイ」
「分かってる。後は任せろ……おい、出てこい《タイタンズハンド》」
暫しの沈黙のうち、出てきたのは犯罪者プレイヤー達だった。
その中にシリカの知り合いも居た。
「ろ……ロザリアさん……!?なんでこんなところに……」
「こいつらは犯罪者ギルド《タイタンズハンド》だ。確か、ロザリアってんのはそこのリーダー……だったか?」
「よく調べてるわね〜。……もしかして私のストーカー?」
「ははっ。年増のばーさんをストーカーする趣味は無いなぁ。まあ、オレンジプレイヤーにとってはストーカー同然かもしれんが、な。あと、ちなみに俺はどっちかって言うと年下好きだ」
たらっと冷や汗が垂れた気がするのはきっと気のせいだ。
キリトさんが頬をひくひくさせてるのもきっと持病か何かだろう。うん、きっとそうだ。
「は〜ん?それでその子に体でたらしこまれちゃったわけか。かわいそ〜」
ロ
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