艦娘と提督とスイーツと・75
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〜霧島:イギリス式ショートケーキ〜
「ふむ、これがイギリス式ショートケーキという物ですか」
「みたいだな。俺も初めて知って、レシピ調べて作ったよ」
今回のチケット当選者は霧島。リクエストされたのは『イギリス式ショートケーキ』という聞き慣れないお菓子だった。そもそもショートケーキって日本とイギリスじゃあ違うのか?と思って調べてみたら、これが全くの別物。同じ名前でここまで違うか、と驚かされた。
「しっかし、お前よくこんなお菓子知ってたな」
「前に金剛お姉さまから聞いたんですよ。お姉さまが着任した時に歓迎の意味も込めてお茶会を催したんですが、その時お茶請けにショートケーキを出したんです。そうしたら……」
「これは違う、とでも言われたか?」
「えぇ。『こんなのショートケーキじゃないデース!』と言われまして。ずっと興味があったんですよ」
よく勘違いされるが、ウチの金剛型の最先任は霧島だ。霧島→金剛→比叡→榛名の順だったかな?確か。しかし流石は姉妹、声真似が上手い。
「しかしこれは……パッと見、クリームとフルーツを挟んだシュークリームみたいに見えますね」
「見た目は若干似てるがな。味は別物だぞ?」
イギリス式ショートケーキの名前の由来は様々ある。有力とされているのはショートという単語が『サクサクとした』という意味の単語で、スコーンとビスケットの中間のような生地の食感を表している、と言われている。他にもショートニングを使ったケーキだとか、生地を焼く時間が短いから短時間で出来るケーキという意味だ、としている説もある。
「それではさっそく……ん!サクサクの生地とクリームが合いますね。そこにフルーツの酸味が加わって絶妙なバランスです、流石は提督!」
「だよな。初めて食ったが普通に美味いよこれは」
日本人がイメージするあのショートケーキのようなケーキもあるらしいが、そっちは『レイヤーケーキ』というらしい。『層をなすケーキ』という意味だそうだ。
「日本のショートケーキをイメージして食べると違和感がすごいですが、別物のお菓子として食べるととても美味しいです」
「だな。流石はティータイムの国」
イギリス飯は正直言ってあんまり好きじゃないが、ティータイムに拘りのある国だけにお菓子のクオリティは高い。それ単品でも十分に美味いが、紅茶と楽しむと絶品だ。まぁ、本場のイギリス人曰く、『紅茶は飲めれば良くて、味に拘るのは一部の物好き』という人が大半らしいが。
「提督、出来たらこのケーキのレシピをお教え願えますか?」
「ん?構わんが……誰に作るんだ?え?」
「彼、結構甘党なんですよ。それに、もうすぐ誕生日なので」
「はは〜ん、それで手作りケーキをねぇ」
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