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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
最終章『ふたりで…』
一人の探偵N/相棒よ永遠に
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けば、手のひらに折紙蝙蝠を乗せ、周囲には同じように折り紙で作られた動物達がいる。
ここで俺は、一気に怒りのゲージが吹っ切れた。

「以前吸収した悪魔達の力は消えてしまったけど、今はこうして力を蓄え、反撃の時を待つのさ、新しい世界を作るための主人公として、そして…君の悪魔を足がかりとしてね!」
「お前が…てめぇごときが…!!」

近くにあった墓から十字架を引っこ抜き、奴に向かって走る。

「おっきーの真似事をすん」
「遅い。」

十字架でやつの頬をひっぱたくよりも先に、鳩尾に蹴りが入り俺は思い切り吹っ飛ばされる。
かつて学校の一部であった瓦礫にぶつかり、思い切り咳き込むも次の瞬間には正義が俺の胸ぐらを掴み、一本背負いの要領で俺を地面に叩きつけた。

「舐めない方がいい。洗脳や副作用が無くなったとはいえ、僕にはまだ"主人公"としての力が残っている。君のような一般人に、僕は倒せない、よッ!」
「ぐうっ!!」

とどめに蹴飛ばされ、土煙を巻き上げながら俺は地面を転がる。
かろうじて立ち上がろうとするが、次に目の前に見えたのは

「覚えているかな?この蝙蝠で、君の契約した悪魔が放った蝙蝠で君は僕から多くの友達を奪った。」
「…!」

正義の周囲を飛び交う、何十もの蝙蝠。

「君もまた、同じ苦しみを味わうといい!!そして死をもって、君を救済しよう!!」

奴が手のひらを突き出すと同時に、蝙蝠も動き出す。
ダメだ。逃げ切れる自身もない。ここからどうにかして勝つ見込みもない。
負けだ。いや、おっきーがやつに吸収された時点で、俺は負けてる。
あっちが主人公、なら、俺はさしずめ悪人だろう。
しかも飛びっきり小物のな。
だったら最期はそれらしく、負けゼリフでも叫んで死んでやろうか。
そう、思った時だった。

「…?」

折り紙蝙蝠が、襲ってこない。
それどころか蝙蝠ではやつの所へと帰っていき

「なっ…これは!?」

本来の持ち主に牙を剥いた。

「くそっ!これは!これは一体!一誠くん!なにをし」

何をした!?
そう聞こうとしたがやつの言葉は無理矢理中断させられる。
周囲にいた折り紙の1つ、馬に後ろ足で蹴り飛ばされ吹き飛んだからだ。

そして、当然だが俺は

「何もしてねーよ。何が起きてんだこれ…!」

何もしちゃいない。
さらに蛇が正義を拘束し、動けないところを数多の折り紙達が攻撃を加える。
何が起きているのかわからないまま立ち尽くしていたが…

「…。」

ふと、隣を見る。
そこにはもちろん誰もいない。
もう…いない。
だが

「いるんだな…そこに…!」

姿は見えない。
けど…そこにいることは感じてる。
俺の隣に…確かにそこに…


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