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ドリトル先生と幸せになる犬
第一幕その十
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「不潔だしね」
「聞けば聞く程嫌だね」
「絶対になりたくないね」
「餓鬼になんてね」
「間違ってもなりたくないわ」
「誰だってそう思うよ、けれど心ない人はそうしたことも考えないから」
 だからだというのです。
「なってしまうんだ」
「そういうことだね」
「考えない人もいるんだね」
「そんなことも」
「そして生きながら餓鬼になって」
「皆から忌み嫌われて」
「そして死んで餓鬼道に堕ちるんだ」
 先生はまた皆に言いました。
「そうなるんだ」
「よくわかったよ」
「僕達も気をつけるよ」
「死んでからも先生と一緒にいたいしね」
「ずっとね」
「キリスト教の考えでは死んだら天国か地獄だけれど」
 今度はキリスト教のお話でした。
「そんな人はどちらに行くか」
「地獄だね」
「地獄しかないね」
「どうしても」
「そちらに落ちるしか考えられないよ」
「キリスト教徒でも生まれ変わるって考えている人はいるよ」
 先生はそうした人のお話もしました。
「そうだね」
「パットン将軍ですね」
 トミーがその人の名前を出しました。
「そうですね」
「アメリカ軍の将軍だったね」
「第二次世界大戦の時に」
「そう、ジョージ=パットン将軍は」
「生まれ変わりを信じていて」
「自分をハンニバルの生まれ変わりと言っていたよ」
 そうだったというのです。
「そしてピュルス大王もね」
「あの人の生まれ変わりでしたね」
「自分はそうだって言っていたんだ」
 パットン将軍はというのです。
「実はね」
「そうでしたね」
「アンデルセンの童話でもそうしたお話があるし」
「やっぱり生まれ変わりはありますか」
「否定しないよ、実際にパットン将軍はそうだったかも知れないしね」
 ご自身が名前を挙げた人達の生まれ変わりかも知れないというのです。
「仏教やヒンズー教ではそうしたお話も多いね」
「だからですね」
「僕も生まれ変わりは否定しないから」
「キリスト教でもですか」
「生まれ変わるかもね」
「それじゃあそうした人達は」
「生まれ変わったら」
 その時はというのです。
「とても酷いことになるよ」
「酷いものに生まれ変わりますか」
「そうなるよ、絶対に」
「それこそ餓鬼みたいな」
「浅ましい存在にね」
 そうしたというのです。
「生まれ変わるよ」
「そうなって苦しみますね」
「絶対にね」 
 生まれ変わりがあるならというのです。
「そうなるよ」
「悪い人は嫌われて悪いものに生まれ変わる」
 王子の言葉は達観したものでした。
「この世の摂理ではあるね」
「そうだね」
「因果応報だね」
「自業自得とも言うよ」
「悪いことをしたら報いがあるね」
「それが悪ければ悪い程ね」

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