信用できません
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丈夫? ……あれ? あたし、どうして寝てたんだっけ?」
日菜は頭を抑えた。
「何か、変な怪物に襲われたような……」
「ああ、怪物……」
ハルトは公園を見渡しながら、誤魔化す手段を考える。だが、踏み荒らされた芝生や、壊された船着き場など、どうやったところで隠し通せることではなかった。
「怪物……は、もういなくなったよ?」
「ホント……本当!?」
日菜が驚きの表情を見せる。首を大きく振り、安心したように息を吐く。
「あれ、何だったんだろう……?」
「さあね」
ファントムとも異なる、謎の怪物。どこから現れたのかも全く分からない。
(怪しいのはトレギアかな……? だったら、あの結界も……?)
だが確信はない。
トレギアからすれば、戦場の巻き添えから公園を守る理由もない。現に、あの戦いにおける公園のダメージは、最初に現れた数分だけしかない。
疑問の連鎖に入りそうになる前に、日菜が「ねえねえ!」と顔を覗き込んできた。
「あ、ごめん。何?」
「お姉ちゃんは? お姉ちゃんはどこ?」
「ああ、紗夜さんは、さっき帰っちゃったよ」
「ええええええええええ!?」
心底ショックを受けたように、日菜の顔が青くなった。
「そんなあああ……お姉ちゃん……」
「本当にお姉ちゃん大好きだね」
「当然だよ! お姉ちゃんは、勉強が出来て生徒会役員で笑うと可愛くてマメで努力家でたまに優しくてポテトが大好きで____」
「ああ、ストップストップ! 日菜ちゃん、それ以上言うと時間がなくなる!」
「ええええ?」
「何でそんな文句があるような顔をするのさ」
「だってだって……」
日菜はいじけたように頬を膨らませる。
「お姉ちゃんと一緒にいたいんだもん」
「うわ、すっごい依存症っぽい発言」
ハルトはそう言いながら、天を仰ぐ。
「……ユニコーンの後、ガルーダに追わせるのも面倒だしなあ……」
「ハルト君?」
「あ、ごめん。何でもない。……よかったら、家まで送ろうか?」
「え〜? でも、家ちょっと遠いよ?」
「別に俺バイクだしいいよ」
「バイク?」
その単語に、日菜は目を光らせる。
「バイク!? るんってきたあああああ!」
なぜか喜ばれた。
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