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おっちょこちょいのかよちゃん
142 偽物は不具合を起こす
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全だが、剣もいずれ取り返す。首を洗って待つがいい。そして『戦争正義の世界』の主よ、この偽物が起こした不具合で君の身体は上手く動けなくなり、能力も使えなくなるだろう。そして改めてこちらも宣戦布告する。味方となる人々をこっちの世界にも呼び寄せた。剣を返すと共に奪われた地域を平和主義の世界へ返しに、そして藤木茂君を元の世界に戻しにね」
 声は話し終わった。
「う、うわあああ・・・」
 レーニンは身体が麻痺して動けなくなった。
「こ、こんなの・・・。皆、偽物を早く機械から取り除きなさい」
「はい!」
 丸岡、日高、奥平が偽物の道具を取り除いた。しかし、糊で粘ついたように杖も、護符も、杯も離れなかった。
「総長、離れません!」
「何ですって!?修、矛盾術を使うのよ!」
「了解!」
 修は外れない偽物の道具が外れるという矛盾を仕掛けた。しかし、効果はなかった。
「総長、駄目です、外れません!」
「ええ!?」
 反則級ともいえる丸岡の能力でも通用しないとは驚きである。
「あの機械を借りてやりなさい!」
「はい」
 丸岡は見聞・武装・威圧の能力(ちから)を出す機械を借りた。しかし、それでも道具は外れなかった。
「どうして・・・」
 房子は敵の策にハメられて焦燥した。
「か、体が動かぬ・・・」
「レーニン様!しっかりしてください!!」
「ダメだ・・・。私自身では上手く身体が動かせん・・・。どうか、私の代行で動ける者が必要だ・・・」
「代行で動ける者?どういう意味ですか?」
「誰かを私の身体に取り入れ、私の代わりとして動いて貰うのだ。誰か、頼む・・・」
「誰か、やってくれる人いない?」
 房子は仲間に助けを求めた。しかし、誰も名乗り出なかった。
「どうやら他の人を呼ばなければならないわね・・・。そういえばこの世界にも私達の世界から平和主義の世界の味方に付いて戦っている人がいると聞いたわ。強引に引き抜いてレーニン様の代行として取り付くしかないわね・・・」
 房子は自分達もこの世界の戦いに参加しなければならないと察した。
「こうなったら・・・」
 房子はトランシーバーを出した。実は政治委員の足立と吉村には連絡が取れるように二人に能力を出す機械ともう一つ、持たせていたのである。
「正生、和江、道具は偽物だったわ。首相に繋ぎなさい」
 しかし、応答はない。
「正生!!和江!!どうしたの!?」
 房子はもう一度二人を呼んだ。しかし、足立の声も吉村の声も聞こえなかった。
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