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Fate/WizarDragonknight
参加者VS怪物たち
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 この異空間は、音がよく伝わる。
 赤のヒューマノイドに促されるまま、紗夜はネズミの化け物から逃げる。

「なんなの……」

 息を切らしながら、紗夜はこの謎の空間を見渡す。
 幻想的な空。オーロラのような美しさだが、それに見惚れる余裕は紗夜にはなかった。
 あらゆる方向から、打撃音が聞こえてくる。破壊の声が届いてくる。

「どうして来てしまったの……? 私」

 軽率な判断を呪いながら、紗夜は謎の空間を歩き続ける。砂のような足触りに、不快感が残った。

「それに、ここは一体どこなの? 公園じゃないの?」

 以前学校の廊下からも変質を目撃した場所。謎の光が輝き続ける遺跡のような場所を、紗夜は茫然と眺めていた。

「どうすれば……え?」

 足が進まない。
 見下ろしてみれば、足が何やら黒いものに巻き付かれているではないか。

「これは……きゃっ!」

 思わず舌を噛みそうになった。
 足に巻き付いたもの___一般的に触手と呼ばれる組織___が、紗夜を引き釣り、そのまま吊り上げたのだ。

「な、何!?」

 紗夜への負担など一切気にしない触手が、乱暴に紗夜を振り回す。長い髪が乱れ、紗夜の視界を隠していく。
 狂った三半規管により吐き気を感じながら、紗夜は触手の出どころの前に突き出された。

「ひっ!」

 目に飛び込んできたそれにより、紗夜を支配したのは恐怖。
 大きな岩に、蓮コラのように大きな穴が開いている。触手はそのうちの一つから伸びており、他にも自身を巻き付ける触手もあるようだ。その穴は、バランスも相まって、どこかの美術館にある叫びをテーマにした絵を思わせた。

「あ! 人質とか汚えぞ!」

 そんな男性の声に、紗夜は首を回す。
 見れば、この穴だらけの化け物は、金色の獣のような人物と相対していた。
 緑の目と、その顔にある鬣は、まるでライオンのよう。
 金のライオンは、紗夜の顔を見て「ああっ!」と叫んだ。

「カワイ子ちゃん!? お前もこっちに来たのか!」
「その声……たしか、多田さん?」

 だが、その姿は、と紗夜の口からは出てこなかった。
 ここ最近の非日常で、あんなコスプレのような衣装でも、紗夜の精神は驚くことを放棄しているのだった。
 多田コウスケ声の金のライオン___その名前がビーストであることを紗夜は知らない。
 ビーストは手に持った武器、ダイスサーベルで紗夜を捕縛する怪物を指す。

「おい! カワイ子ちゃんを放せ! このブツブツ野郎!」

 だが、怪物は紗夜を放さない。ビーストの前で振り回しながら、別の触手でビーストを薙ぐ。

「ぐおっ!」

 肩から落ちたビーストは、腰から緑の指輪を取り出した。

「あの野郎……だっ
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