第四章
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「それでか?」
「いや、ちょっと考えただけで」
「そうか、まあそんなところだろうな」
「わかりました、じゃあ今日も頑張りましょう」
森山は自分から言ってだった。
日本に戻って次の日にこちらでの仕事に戻った、そして会社に帰ると出迎えてくれた妻に対して言った。
「俺も男の人と付き合いたくなったら付き合っていいかな」
「ええ、女の人でないならね」
妻の返事はあっさりしたものだった。
「ただ相手はお一人だけにした方がいいわよ」
「三角関係になるからか」
「それは酷いことになりかねないから」
「それじゃあ」
「そちらも一途でないとね」
駄目だというのだ。
「やっぱりね」
「そうなんだな、それで女の人は奥さんだけだから」
「これからもなの」
「約束するよ。俺そうしたタイプでもないし」
酒池肉林だのハーレムだの浮気三昧だのの趣味はない、自分でもわかっているつもりだ。
「それじゃあ」
「ええ、宜しくね」
「それで奥さんはあの人と」
「女の人同士でね」
「あの人とだけだね」
「芳香ちゃんは男の人にはもうわかってもらってるから」
そうだとだ、杏は話した。
「そのうえで両方のお付き合いしているの」
「そうだったんだ」
「私もあなたにお話しようと思ったけれど」
「話しそびれてかな」
「御免なさい」
「すぐに話してくれなかったけれどわかったからいいよ」
昨日見たのでもうこれ以上言うつもりはなかった、昨日の衝撃がそのまま残っていてそれで言う気もなかったのだ。
「これでね」
「それじゃあ」
「そういうことでね、もうこの話は終わって」
それでとだ、夫は妻に言った。
「晩ご飯食べようか」
「二人でね」
「そうしよう、今日は何かな」
「海老ドリアだけれど」
「いいね」
好物だ、それで森山はメニューを聞いてすぐに笑顔になった。
「じゃあ一緒に食べよう」
「これからね」
妻も笑顔で応えた、そしてだった。
二人は仲良く晩ご飯を食べて夜も一緒に寝た、一年後彼はまた出張したが妻は携帯で芳香が家に来たことを伝えた。彼はその妻に仲良くねと返して終わった。そしてまた帰ると妻と愛し合った。それから三ヶ月後妻の妊娠がわかると彼だけでなく芳香もお祝いしてくれた。森山はその彼女にも笑顔でお礼を言った。
帰ると 完
2021・2・17
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