第三章
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「ずっとね。あと男の人もあなたの前に付き合った人はいたけれど今はね」
「僕だけなんだ」
「あなたと付き合ってからはずっとよ」
「ええと、じゃあ二人共男の人の恋人はいて」
「そう、女の人の恋人もね」
こちらの相手もというのだ。
「そういうことなのよ」
「浮気は私達絶対にしないです」
芳香は断言した。
「何があっても。女の人は先輩だけで」
「男の人はだね」
「その人だけです」
真面目な、誰が見ても嘘を吐いていない目での言葉だった。
「絶対に」
「私も。男の人はいないから」
夫である彼以外にはとだ、妻も語った。
「何があってもね」
「そうなんだ」
「そのことは絶対だから。男の人で愛しているのはあなただけよ」
「それで女の人で愛しているのは」
「この娘だけなの」
「そうなんだ、つまりこれは浮気じゃないのかな」
森山は自分の頭の中で自分に納得させる様に考えてその考えを言葉に出した。
「どうかな」
「あなたも男の人が相手ならね」
「愛していいんだ」
「私もそうだから」
「はい、私もいいと思います」
杏だけでなく芳香も言ってきた。
「ご主人も」
「どうなのかな。そんなこと考えたことないけれど」
森山は自分の紅茶を飲みつつ述べた。
「そっちはいいんだ」
「あなたがそうしたいならね」
妻はこう答えた、やはり偽りのない言葉だった。それは芳香も同じで。
今日見たことが浮気かどうか結局結論は出なかった、芳香は話が終わるとまたと言って部屋を後にした。もう来ないとは言わず杏とも抱き合った。
森山は妻と二人になるととりあえず風呂に入ってそれから妻が急に帰ってきたので冷凍ものだったが作ってくれた夕食を食べた、それから妻とベッドに入ったが。
夜の生活は彼が待ち望んだ通りだった、妻が自分を愛していることも間違いないと思った。そして朝起きてもだった。
日常はそのままで出社の時にはキスをしてくれた、本当に妻はそのままだった。
だが会社に入ると堀江にこう言った。
「あの、俺が男と付き合ったら不倫になります?」
「男と?お前そんな趣味ないだろ」
「ないですけれどね。どうなるんでしょうか」
「ならないだろ。昔の日本じゃ普通だったけれどな」
同性愛はとだ、堀江は森山に歴史のことから話した。
「それで不倫だったとかないからな」
「そういえばそうでしたね」
「ああ、武田信玄さんも浮気して身の潔白を言う手紙書いているけれどな」
「違う男に浮気してでしたね、あの人」
「付き合ってる相手に書いた手紙だよ」
当時の相手の春日源助後の高坂昌信に対しての手紙である。
「これだって女の人に浮気したじゃないからな」
「男同士のことですか」
「だからお前が男の人と付き合ってもな」
「いいんで
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