第一章
[2]次話
ワイルド系
相良夏織は背は一五五程で黒髪を伸ばし左で束ねている、眉はしっかりとしていて目はきりっとしていて口元も引き締まっている。スタイルは全体的によく脚も奇麗だ。
兎に角身体を動かすことが好きで運動それも外で激しく身体を動かすものが好きだ、そして料理もだ。
家で夏織が作ったものを見て兄の匠一郎はどうかという顔で言った。背は一六七位だが外見はバッカニアの様でスペイン人に見える。
「何でいつもこんな料理なんだよ」
「私の料理が？」
「豪快に焼いて一気に調理してるよな」
「ええ、そうしてるわよ」
夏織は兄に素っ気なく返した。
「いつも通りね」
「完全に男の料理だな」
兄はその肉料理に野菜料理を見て言うのだった。
「切り方とか」
「悪い？」
「女子高生の作ったものなんてな」
それこそというのだ。
「信じられないからな」
「むしろお兄ちゃんが作った方がっていうのね」
「納得するぞ、誰でも」
「いつもそう言うわね」
「外で食うものだろ」
その料理の姿はというのだ。
「味付けだってそうだしな」
「だってこうした料理が好きだから」
妹の言葉はその調子を変えなかった。
「だからよ」
「それでか」
「こうした料理なのよ」
「全く。女の子が作るものじゃないな」
スペアリブに八宝菜はどれも切り方が大きい、そして火加減はどう見ても強かった。ただし焦がしたりはしていない。
「これでまずかったらな」
「どうしようもないっていうのね」
「美味いさ、けれど味付けもな」
その姿だけでなくというのだ。
「繊細とは程遠いしな」
「というか夏織はいつもだな」
「そうよね」
父の淳と母の雅恵も言ってきた、父の外見は普通のサラリーマン風であり母はおばさんパーマでやや太っている。父の仕事はサラリーマンで母はスーパーでパートの仕事もしてそれぞれ頑張っている。
「子供の頃からね」
「身体動かすのが好きでな」
「家事をしてもね」
「こんなのだな」
「男の子みたいなのよ」
母はやれやれとした顔で言った。
「それは皆知ってると思うけれど」
「お前もだろ」
父は匠一郎にも言った。
「わかってるだろ」
「わかってるけれど言うんだよ」
匠一郎は父にも答えた。
「顔はともかく性格も行動もな」
「こうだな」
「そうだからな」
それでというのだ。
「本当にどうかってな」
「思っているな」
「そうなんだよ」
実際にというのだ。
「こんなので彼氏とか結婚とかな」
「いや、案外な」
「そうした人もいるでしょ」
両親は息子に言った。
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