第三章
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「これがね」
「変わったの」
「自分ではそう思っていたけれど」
「それがなのね」
「ええ、それで今度ね」
奈津美は顔を赤くさせたまま友人達に言った。
「自分からね」
「告白するの」
「そうするの」
「そのつもりなの」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「はいって言ってくれたら」
「その時はなのね」
「お付き合いね」
「それをスタートさせるのね」
「これまで年齢イコール彼氏いない歴だったけれど」
それがというのだ。
「変わるわ」
「そこまで言うならね」
「頑張りなさいよ」
「そうしなさいよ」
「ええ、そうするわ」
大学でこう友人達に言った、そしてだった。
奈津美は実際に小日向に対してだった。
ある日仕事が終わってから二人で店に出た時にチェーン店の牛丼屋に案内した、そこは店の近所の店だった。そこに入って。
カウンターに横並びに座ってだ、奈津美は注文した牛丼の並を飲みながら小日向に言った。二人共それぞれ自転車と車で来ているのでアルコールは口にしていない。
そこでだ、奈津美は小日向に言った。
「実はお話がありまして」
「あの、ひょっとしてだけれど」
小日向は自分が注文した牛丼の特盛を食べつつ応えた。
「僕に言いたいことあるのかな」
「ま、まあそれは」
気付かれたかとギクリとしながらだ、奈津美は応えた。
「そうなんですが」
「じゃあ何かな」
「はい、私でよかったら」
焦りながら小日向に顔を向けて言った。
「お付き合いしてくれていいかな」
「えっ、僕となんだ」
「はい、小日向さんを好きになったので」
顔は真っ赤で言葉を出すのが苦しい、だがそれでもさらに言った。
「ですから」
「というか僕でいいんだ」
小日向はこう返した。
「朴念仁で無神経でだけれど」
「そんなことないです」
奈津美は小日向の今の言葉をすぐに否定した。
「全然」
「そう言ってくれるんだ」
「事実ですから」
焦った様な言葉で応えた。
「ですから」
「それでなんだ」
「宜しくお願いします」
小日向にあらためて言った。
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