第一章
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フォールインララバイ
椎名奈津美の趣味は釣りである、他には自転車にキャンプに野外での料理にボート、ロッククライミングにとアウトドアな趣味ばかりだ。
茶色の波だった髪の毛を後ろで束ねやや面長の顔で細い目と眉を持っている。背は一六〇位で健康的なスタイルをしている。
その彼女が通っている八条大学の中で友人達に笑って話していた。
「私に彼氏とかね」
「ないっていうのね」
「そうだっていうのよね」
「あんたよくそう言うわね」
「自分に恋愛は縁がないって」
「そうね」
「だって趣味がね」
それがとうのだ、見れば大学のキャンバスでも登山用のズボンとシャツそれに帽子というアウトドアな恰好である。
「趣味だからね」
「釣りに自転車にキャンプに野外料理にボートね」
「あとロッククライミングね」
「そうしたアウトドアな趣味ばかりで」
「外見もっていうのね」
「こんなのだからね」
その服装で話した。
「だからこれまでも今もだったし」
「これからもなのね」
「彼氏はなし」
「そうだっていうのね」
「そうしたお話とは縁なしって」
「そう言うのね」
「絶対ないわよ、だからこのままね」
彼女自身が笑って言った。
「大学でも将来就職してもね」
「趣味を楽しんで」
「そうしてなの」
「生きていくの」
「恋愛も。そして結婚もね」
そのどちらもというのだ。
「縁がないから」
「だからなのね」
「もう趣味を満喫して生きる」
「そちらを楽しんでなのね」
「そうしていくわ」
明るく笑って話した、そしてだった。
実際に奈津美は自分の趣味を楽しんで生きていった、だが。
そんな彼女がアルバイトをしているアウトドアグッズショップそのアウトドアの趣味を楽しむ為の予算を確保する場所にだ。
新しい店員が来た、その店員は。
背は一八六あり引き締まった体格をしている、細い目でやや面長の顔で黒髪は短く顔つきはきりっとしている。店に来てすぐに名乗った。
「小日向智久です」
「八条スポーツからの出向だよ」
店長がこう話した。
「本社からのね」
「そうなんですか」
「この店自体が八条グループのお店だしね」
店長、禿頭で太った彼は奈津美に答えた。
「それでなんだ」
「本社からですか」
「来ているんだ」
「そうですか」
「まあそれ言ったら俺もね」
「八条グループの社員さんでしたね、店長さんも」
「元々本社にいたんだ」
八条スポーツのそこにというのだ。
「それでこっちに来ているからね」
「じゃあ小日向さんと店長さんは」
「同じ様なものだね」
「宜しくお願いします」
小日向は明るい笑顔でこうも言った。
「これから」
「はい、こちらこそ」
奈津
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