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レーヴァティン
第二百十三話 包囲してその一

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                第二百十三話  包囲して
 久志は帝国軍を広く動かしていた、それは陸の軍勢だけでなく空船達もそうであり水軍もであった。
 久志は今芳直を移動の術で本陣に来てもらって話した。
「それじゃあな」
「ライン川にもだな」
「ああ、あと港町もな」
 久志は芳直に話した。
「水軍を送ってな」
「攻め落とすことか」
「ああ、そしてな」
 それでというのだ。
「敵の逃げ道をな」
「塞いでいくな」
「ここで敵軍を倒したらな」
 そうしたらというのだ。
「もうな」
「王国と連合王国は主力がなくなる」
「だからな」
 それでというのだ。
「後の戦が楽になる」
「だからだな」
「そっちもやってくれ」
 水軍もというのだ。
「敵の逃げ道を塞いでくれ」
「わかった、それで水路にもだな」
「そっちはどうだい?」
「もう船を入れている」
 水路にというのだ。
「だからな」
「決戦の時はか」
「もう船が水路に来てだ」
「そうしてだな」
「戦に参加する」
「そうなるな」
「だからな」 
 それでというのだ。
「水路は大丈夫だ」
「それは何よりだな」
「そして港も川もな」
「頼むな」
「水軍には余裕がある、そちらも出来る」 
 芳直の返事は確かなものだった。
「それならな」
「ああ、やってくれ」
「そういうことでな」
「あとな」 
 久志はさらに言った。
「敵の水軍だけれどな」
「連中か」
「ああ、どうしてる?」
「今カレーに集結している」
「そうか、こっちに向かってきそうか」
「その気配はある」
「おい、だったらな」
 芳直のその言葉に顔を顰めさせて言い返した。
「若し敵の水軍が来たらな」
「その時はか」
「戦ってくれ、そしてな」
「敵の水軍をか」
「殲滅してくれ、それからな」
「ライン川や港町をか」
「掌握してくれ、いいな」
「わかった」
 芳直は一言で答えた。
「ならな」
「そうしてくれるな」
「そうさせてもらう」
「要は川を渡った敵軍を逃がさない」
「ここで殲滅するな」
「ああ、殺さなくてもな」
 芳直にもこう言った。
「一兵残らずな」
「敵から奪うか」
「そうするのが大事でな」
 それでというのだ。
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