第二章
[8]前話
二匹の茶色で喉が白いそっくりの雄の子猫達を預けて言った。
「じゃあね」
「ええ、この子達をね」
「大切に可愛がってね」
「里親の人が見付かるまで」
「そうしてあげてね、多分ね」
グレイスは二匹の猫達を観つつロリに話した。
「この子達兄弟よ」
「そっくりだしね」
「それで感染症持っていて栄養失調だけれど」
それでというのだ。
「だからね」
「治療もよね」
「本来はうちですることだけれど」
「今そちらの施設は忙しいからね」
「生きものの収容も限界で」
それに達していてというのだ。
「だからね」
「わかったわ、そちらも任せて」
「それじゃあね」
こう話してだった。
ロリは子猫達を引き取った、それぞれフランシスとジョニーと名付け。
そうしてご飯と水をたっぷりとあげて獣医に診せて感染症の治療も行った。そうして彼等を元気にさせて。
家に最初からいるオードリーという濃いグレーの雌猫とも会わせると彼等は。
「ニャン」
「ニャンニャン」
「ニャア〜〜〜」
三匹はすぐに仲良くなった、兄弟はよく食べて感染症も治るととても元気で人間好きでしかもだった。
「いつもなの」
「そうなの、二匹でね」
ロリはグレイスに話した。
「仲良く一緒にいるの」
「兄弟だけあって」
「そうなの、それを見ているだけでも幸せになるわ」
こう言うのだった、そして気付けば。
ロリも彼女も家族も二匹を気に入ってだった。グレイスに話した。
「あんたがなの」
「ええ、家族に迎えたいけれどいいかしら」
「そう言ってくれるならね」
笑顔でだ、グレイスはロリに応えた。
「こちらは有り難いわ」
「そうなのね」
「貴女みたいな人が引き取ってくれるなら」
心ある人がというのだ。
「ご家族も信頼出来るし」
「それじゃあね」
「そう、だからね」
「引き取っていいのね」
「そうして、それじゃあね」
「ええ、家族に迎えさせてもらうわ」
こう答えてだった。
ロリはフランシスとジョニーを家族に迎えた、二匹は暖かい家での幸せな暮らしに入った。
グレイスはそれを見てシカゴに来た時にミッシェルにこの話をした、するとだった。
ミッシェルは笑顔で自分の二匹の家族を紹介した、するとグレイスは猫にも絆があってそれは決して馬鹿に出来ないものだとわかった。そして自分でも猫の兄弟を迎えてその絆に触れて温かい気持ちになった。
二匹一緒だと最高 完
2021・7・28
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