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Fate/WizarDragonknight
-恐怖の獣たち-
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コウスケの背中を引き裂く。

「がああっ!」

 生身のままのコウスケは悲鳴を上げた。
 そのまま気絶したモカを寝かせ、コウスケはその元凶を睨む。

「なんだアレ!?」

 ムンクの叫び。
 それが、コウスケの中では一番わかりやすい例えだろうか。
 岩石のような巨体に、ところどころに穴が開いている生物。その穴は、大きい物と小さい物がそれぞれ一対二の比率で点在しているところから、人が驚いている顔のようにも見える。
 その一際大きな口から、触手がコウスケを狙って放たれる。

「危ねえ!」

 コウスケはバク転を繰り返し、触手の魔の手から逃れる。
 だが。

「うおっ!」

 右足が、怪物の側面より出でた触手に捕らえられる。

「うおおお!?」

 吊り上げられたコウスケは、慌てて腰のホルスターから指輪を取り出す。

「放せ! 放しやがれこの野郎!」

 だが、ムンクの叫びはそんな声を悲鳴で掻き消す。
 コウスケは重力に逆らいながら、指輪を取り付けた。

『ドライバーオン』
「うっし! どこのどいつかは知らねえが、覚悟しやがれ!」

 上手くベルトが起動する。金色のそれを撫でたコウスケは、急いで左手に指輪を装着する。

「変〜身!」

 ジャケットが逆さまになりながらも、コウスケは叫ぶ。
 ベルトのソケットが回転することにより、ベルトの中心にある扉が開く。
 そこから覗かれるライオンの顔より、魔力が発せられた。

『L I O N ライオン』

 金色の魔法陣は、そのままコウスケの姿を、古の魔法使い、ビーストに変えていく。
 手に持ったダイスサーベルで触手を切り裂き、着地したビーストは、異形の化け物に対して身構えた。



 耳鳴りがした。
 サーヴァントとして召喚されてから、それが耳に届いたことはなかった。
 だが、それが耳に届いた途端、背中を打たれたように真司の全身に緊張が走る。

「どこだ……!?」

 水面、自動販売機、安全ミラー。あらゆる鏡に、その影を探す。
 そして、それはいた。
 鏡の中に、岩石のような体の怪物が。
 四つ足の亀のような姿形をしているが、その口からはまるで蛇のようなもう一つの口が飛び出ている。全身の岩肌には、マグマを思わせる赤い肉体が見え、岩山が動いているようだった。
 それは、その口を鏡の中から伸ばす。それは、鏡の近くの女性を食らおうとしていた。

「危ない!」

 真司は跳び蹴りでその触手を蹴り飛ばす。
 驚いて鏡の中へ逃げていった岩石の化け物を追いかけるように、真司は腰から、黒いカードデッキを取り出す。すると、鏡で生成されたベルトが、現実世界の真司にも装着された。

「変身!」

 慣れた動作
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