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犬はずっと待つから
第一章

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                犬はずっと待つから
 アメリカミシシッピー州リンカーンのアニマルシェルターのスタッフであるウィリアム=ノートンはサングラスが似合う精悍な顔の三十代の男だ。
 サングラスの奥の目の色は黒で髪の毛は金髪で長身で引き締まった身体つきだ。その彼がある日助っ人を頼まれた。
「家具をか?」
「不法投棄がありまして」
 後輩のスタッフがノートンに話した。
「それで、です」
「このシェルターにもか」
「助っ人を頼まれていまして」
「それで俺がだな」
「行って欲しいと」
「わかった、生きものの話も今はないしな」
 ノートンは後輩に快く応えた。
「こうした公の活動もな」
「仕事ですからね」
「だったらな」
「行って下さい」
「そうしてくるな」
 こう言ってだ。
 ノートンは不法投棄があった場所に向かった。そして。
 現場に行くとだった、そこは。
「無茶苦茶だな」
「それで人手が足りなくて」
 役所のゴミ処理のスタッフが述べた。
「ですから」
「助っ人が欲しくてだな」
「お願いしました」
「そうなんだな」
「他にも仕事をする場所がありまして」
 それでというのだ。
「ですから」
「助っ人を呼んだな」
「他の部署からも」
 リンカーンの行政のというのだ。
「そうしてもらいました」
「わかった、じゃあな」
「今からですね」
「やらせてもらうな」
 ノートンはここでも快い感じだった、そして。
 すぐに家具の処理に入った、それでだ。
 処理をしているとそこに。
「クゥ〜〜ン」
「犬!?」
 ノートンは一匹の犬を見付けた、その犬は。
 茶色で痩せや垂れ耳の中型犬だった、大きな椅子の上で丸くなっている。見れば。
 骨と皮だけになっている、ノートンはその犬を見て言った。
「まさか家具を捨てた奴が」
「そうかも知れないですね」
 隣にいた者が応えた。
「家具もあってですから」
「酷い奴だな」
「捨てた奴は」
「家具は不法投棄してな」 
 そしてというのだ。
「犬までなんてな」
「全くですね」
「ここに来てよかった」
 ノートンはこうも言った。
「俺の仕事もあったからな」
「それじゃあ」
「こいつを保護する」 
 一も二もない言葉だった。
「そして助けるな」
「そうされますね」
「ああ、もう大丈夫だからな」 
 ノートンは犬には優しい笑顔で優しい声をかけた。
「安心するんだぞ」
「ワン」
 犬は彼に鳴いて応えた、だが。
 ここでノートンはこうも言った。
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