第一章
[2]次話
家族になった狼の一家
アラスカ州アレクサンダー諸島のある島でのことだ。
この島に家族と共に住んでいるオミット=カーライル太い腕と足を持つ大柄な筋肉質で濃い金色の髭と髪を持つ彼はある日罠にかかっている狼を見付けた、狼は彼を見ると唸って威嚇してきた。だが。
カーライルは共にいる仕事仲間にこう言った。
「助けるか」
「いや、かなり警戒してるぞ」
仲間はその狼を見て言った。
「だからな」
「近寄らない方がいいか」
「ああ、しかしな」
仲間はその狼をさらに見てカーライルに話した。
「乳が張ってるぞ」
「そうだな、雌でしかもな」
「授乳中だな」
「だったら子供もいるか」
「母親がこうなるとな」
罠にかかると、というのだ。
「子供が心配だ」
「じゃあ子供を探すか」
「そうするか、幸い雪で狼の足跡が残っている」
「それを伝っていけば狼の巣に辿り着けるな」
「きっとな」
こう話してだった。
二人で狼の巣を探す為に由貴に残った足跡を伝っていった、すると。
やがて穴に辿り着きそこに四匹の小さな狼達がいた、その子供達を二人で罠にかかったままの母親のところに運ぶと。
「クゥ〜〜ン」
「クンクン」
「キャウン」
「クゥン」
四匹はすぐに母親に駆け寄って乳を飲みだした、ここでカーライルは持っていた干し肉を出すと母親はそれを食べた、すると。
カーライル達への警戒の念をかなり緩めた、それを見てだった。
カーライルは狼の罠を外した、すると母親は驚いた顔になったが。
自由になったので子供達を連れてその場を後にした、途中何度か子供達と共に振り返ってきた。カーライルはその彼等を見送った。そして彼等が見えなくなると仲間と共に仕事に戻った。
カーライルはこの時は命を助けていいことをしたと思っていた、それだけだったが。
後日何とだ。
朝起きて仕事に行く為に家の玄関の扉を開けると。
「ワン」
「ワンワン」
「ワンッ」
「ワオンッ」
何と子供の狼達が四匹来てだ、そして。
二匹の大きな狼もいた、彼等も。
「ワンワンワンッ」
「ワフウッ」
カーライルに親し気に近寄って来た、見れば六匹共尻尾を振っている。彼はその狼達を見てわかった。子供の数に大人の一匹が丁度罠にかかっていた足を怪我していることも見て。
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