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Fate/WizarDragonknight
トレギア
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言いながら、その赤い目を光らせる。放たれた赤い光線が、友奈の体に火花を散らした。

「もう少し打って変わった手がないのかい? こんな風にね!」

 トレギアの右手が、闇に包まれて消える。
 すると、友奈たちの目前に現れた闇より、消失した右手が現れ、二人を叩く。
 勢いを殺され、バランスを崩した二人。

「まだまだッ!」

 だが響は倒れず、再びトレギアへ踊りかかる。
 目で追うだけでも素早さを感じる響の動き。だが、トレギアは背後で手を組んだまま、そのすべてを躱して見せた。

「響ちゃん! 私も!」

 さらに、友奈の攻撃も加わる。
 紗夜の眼では捉えきれないほど素早い武術が二重になって、トレギアを襲う。だが、仮面のサーヴァントには、決して命中することはなかった。

「くくく……ほら」
「へ?」

 響の背後へ回り込んだトレギアは、そのまま響の足を払う。そのまま転倒した響を助け起こそうとした友奈の目の前で、トレギアは指を突き出した。

「おいおい……そんなんじゃダメだなあ」

 そのまま、友奈とトレギアは睨み合う。
 やがて、起き上がった響がトレギアの手を打ち払い、さらなる攻撃の手を加えた。
 しかし、トレギアは勢いをつける響の頭を抑える。
 そのまま足だけが宙返りになる響を、地面に打ち付ける。
 さらに、背後の友奈の蹴りもまた、掴み、放り投げる。

「さあ……そろそろ終わらせようか……?」

 トレギアの周囲の闇が色濃くなる。
 両手から発せられる雷、トレラアルティガイザー。
 それは、響、友奈のみならず、その直線上の紗夜さえも射程内だった。

「!?」

 その危機に、紗夜は息を呑む。雷光が自らの命を粉微塵にする寸前。
 響と友奈が、盾になるように立ちはだかる。

「させない! うおおおおおおおおおおおお!」
「勇者はッ! 根性おおおおおおおおおおお!」

 それぞれの色の光とともに、二人のサーヴァントは踏ん張る。
 そのおかげで、強烈な雷の魔の手は、決して紗夜には届くことはなかった。
 やがて、響と友奈は押し負け、変身解除とともに野へ転がってしまう。

「立花さん! 結城さん!」

 芝生の中で目を覚まさない二人に、紗夜は悲鳴を上げる。

「やれやれ……これで終わるのなら、邪魔しないでほしかったなあ?」

 肩の埃を掃いながら、トレギアは再び紗夜へ歩み寄る。

「ちゃんと、私のパズルに沿ってもらわないとね……」

 気を失った二人には目もくれず、トレギアは歩く。
 足に力が入らず、上半身の力だけで逃げようにも、木々という足場の悪い中、トレギアから逃げられるはずもない。

「っ!」

 痛み。
 右手が、木の根に引っかかった。

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