トレギア
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ルトさんが遭遇したって聞いたよ」
「そうなの?」
「ハルト……ああ……松菜ハルト君か」
トレギアはうんうんと頷いた。
「彼にもここで一度挨拶したね」
「まどかちゃんを攫おうとしたって聞いたけど……つまり、悪い人!」
友奈が腰を低くした。
だがトレギアはそれには答えず、ただ顎に指を当てた。
「あまり直接の戦いは好きじゃないんだけどなあ……まあ、たまには英霊らしくやりますか」
トレギアは欠伸をしながらそう言った。
その右手に、ビリビリと黒い雷が宿る。木々を揺らし、夕焼けを夜に染め上げようとするそれは、生身の友奈、響、そして紗夜を食らわんとする。
『Balwisyall nescell gungnir tron』
「牛鬼!」
黄色と桃色の閃光。
二色の光が、紗夜を守る壁となる。やがて光が二人の体を包み、その姿を変えていく。
歌を体に纏ったガングニールの奏者、響。
神なる樹より力を受けた桃色の勇者、友奈。
二人は、同時に拳を突き出し、黒い雷を殴り弾いていた。
「ほう……変身は手軽に出来るのか」
トレギアは軽く手を叩く。
「先日のムー大陸での戦いは、色々と見させてもらったよ。あの規格外な騎士の姿にはならないのかい?」
「騎士……サンダーベルセルクのこと?」
トレギアの問いに、響が首を傾げた。
「よく分かんないけど、あれ以来変身出来なくなっちゃったんだよね……」
「それは残念だったね。あの力なら、私に歯向かえたのかもしれなかったのに。……なら、せめてもののハンデだ」
そんな二人を見ながら、トレギアは二人のサーヴァントへ指さす。
「お先にどうぞ」
トレギアがバカにしたように手のひらを響と友奈に見せる。
すると二人は、互いに相槌を打った。
「いいけど、後悔しても知らないよ!」
「話し合ってくれないのなら、ぶっ飛ばしてから、改めて話し合いにさせていただきます!」
二人は拳を突き出し、トレギアに挑む。
「うおりゃああああああ!」
響の怒号。全てを砕く威力の響の拳が公園の木々を薙ぎ払っていく。
だが、トレギアは軽い身のこなしでそれらを全て回避する。
「このッ!」
さらに、響はラッシュ。だが、その全てもトレギアに読み切られ、さらに彼女の眼前に突き出された腕によって動きを止められてしまう。
「ばあ」
響の目の前で、握った手をトレギアが開く。すると、発生した衝撃波により、響の体が投げ飛ばされた。
次に、友奈がトレギアへ挑みかかる。響と同等の巧みな武術にも関わらず、トレギアはそれを全て躱す。
「おいおい。君たちはストレートすぎないか?」
トレギアはそう
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