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幻想甲虫録
白羽の子 ーいざ、紅魔館へー
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君臨する。けど……そこには霊夢も魔理沙もいない。人妖問わず誰もいない。孤独の魔王として君臨していたわ」


レミリアが告げたことはあまりにも衝撃的だった。霊夢も魔理沙もいない幻想郷!?この場が死んだような静寂に包まれた。
しかし、静寂を破るかのように意を決したウォズがソウゴにこう伝える。


ウォズ「申し訳ございません、我が魔王。本来ならばあの時お答えするべきでしたが、今のあなたでは耐えられないと思い、黙っていました。この場を借りて率直に申し上げます。未来の博麗霊夢と霧雨魔理沙は…………いえ、我が魔王以外の者も虫も死にます」

レミリア以外全員『!?』

【俺も死ぬのか?】オォラァ!!


返事の代わりにまた看板を掲げるカリスマローグ。ウォズは悲しげな表情をしながらカリスマローグが掲げた看板に返答する。


ウォズ「残念ながらその通りです……」

ソウゴ「嘘だろ!?どうしてそんなことが!ていうか何で今まで黙ってたんだよ!!」

ウォズ「私も詳しく知りません。ですがこれだけは言えます。博麗霊夢と霧雨魔理沙は何者かによって殺されます」

コクワガタ「え……?おねえちゃんたち、しんじゃうの……?」


さすがのコクワガタも状況が飲み込めないでいた。


霊夢「ふ、ふざけんじゃないわよ!!私たちが誰かに殺されるなんてあり得ないでしょ!!」

ウォズ「いえ、殺されます。今のままでは我が魔王がムシキングを目指す限りあの事態になるでしょう」

ソウゴ「そんな…!」


するとウォズの話に何か引っ掛かったギルティが首をかしげた。


ギルティ「ん?ちょっと待ってくれ。さっき何つった?『今のままでは』?」

レミリア「そう……ここからよ。さっきウォズが言ったように、今のままでムシキングを目指せば、そういう未来が確実に起こる。その前に様々な『虫に関する異変』が起こるわ」

霊夢「異変の首謀者が何言ってんだか……」

レミリア「黙って聞きなさい。例えば『虐げられた甲虫たちの逆襲』。例えば『闇の世界から来た黒いカブトムシ率いる組織の欲望』。例えば『全てをリセットしようと企てる組織の願望』。例えば『悪の妖精の再来』。例えば『その妖精に忠誠を誓わんとする3匹の甲虫』………そして『運命の分かれ道』。異変を突破できて、なおかつソウゴが成長していればその未来は防げる。けどそれ以降は全く見えない。運命を変えるかこのままにするかは………霊夢、ソウゴ、あなたたち次第よ」

霊夢「……………」

ソウゴ「じゃあ俺が成長すれば、努力さえすれば、その運命は変えられるっていうんだな?」

レミリア「さっきも言ったけど、それはあなた次第よ。だからといって楽観視しないようにね。特に霊夢も」


その時だ
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