暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十 共同戦線
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
って知ってっか」
「一石二鳥とも言うだろう」

再不斬の揶揄に揶揄で返して、角都が印を結ぶ。
彼の背後に聳え立つ三匹の化け物、その内の一体が大きく口を開いた。

「【雷遁・偽暗】!!」

能面にバチバチと眩い雷が集束する。直後、鋭い槍のような形状の雷が襲い来る。
その雷撃の矛先は、シカマルとチョウジ。
もっともこの場で戦力が低いところを狙ってくる的確な攻撃に、狙われたシカマルが舌打ちした。

そのふたりの前に、カカシが躍り出る。
シカマルとチョウジを庇い、自らの【雷切】の雷で敵の雷撃を打ち消そうとするカカシ目掛けて、飛段が雄叫びを上げながら鎌を振るった。

「ひゃっはああ──!」

角都の【雷遁・偽暗】の攻撃に防戦一方であるカカシ。
彼に無慈悲に振るった鎌はしかし、鎌より太い刃で以って弾かれた。

「うるっせぇな」

火花が散る。
三刃の鎌を難なく押し返した再不斬が、飛段へ追撃した。
それを屈むことで避けた飛段が再不斬の足を狙って鎌を薙ぐ。飛んでくる鎌の切っ先を、首切り包丁を盾に防いだ再不斬が地を蹴った。そのまま飛段を、鎌ごと斬り伏せんとする首切り包丁から逃れ、飛段が傍らの大木を駆け上がる。

苔生した大木の幹を駆け上る飛段追い駆け、再不斬が首切り包丁を振り翳す。
それを鎌で受け止めようとした飛段に向かって、角都が鋭く叫んだ。

「よけろ、馬鹿者…!」

同時に、角都の腕が伸びる。
黒い繊維状の触手を長く伸ばした角都の腕が、飛段の首根っこをひっつかんだ。

「ぐぇ…っ」

いきなり首を引っ張られた飛段が呻く。だが文句を言う前に、寸前まで自分がいた場所を目の当たりにして息を呑む。

直後、ズウウウウン…と地響きを立てて、大木の半分が墜ちた。
首切り包丁で大木の幹を真っ二つに割った再不斬が、ふんと鼻を鳴らす。

「相棒に助けられたか…命拾いしたな」

大木を駆け上る飛段を斬り損なった再不斬が角都に視線を向ける。
巨大な刃を物ともせず、ひょいっと肩に担ぎ上げた再不斬を見て、角都は呆れたように飛段を見下ろした。

「あれだけ大きな得物を軽々と振り回している輩だぞ。ちっとは頭を使え」
「それより早く手を離せよ、おい!絞まってる絞まってる!!」

地面へ引き摺るような形で首根っこを掴んだ角都の腕を、飛段がバシバシ叩く。
首切り包丁で木の幹ごとたたっ斬られるのを助けてもらったのは感謝するが、今現在自分の首を引っ張る角都の腕へ、飛段はギャンギャン怒鳴った。

「ギャンギャンうるっせぇな、コイツのほうこそ狗なんじゃねぇか」

木ノ葉の狗だと嘲笑された再不斬が意趣返しとばかりに嗤う。
角都の手からようやっと解放された飛段は咳き込みつつも、益々大声で喚いた。

「げほ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ