天界の掟
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今にも意識が途絶えてしまいそうだ。
「どうしようか?」
「いいよ、もうすぐにでも気絶しそうだし」
トドメを刺されるかと思われたか、二人は全くそんな気配を見せない。それどころか、追撃してくる様子もない。
「全員の意識が戻ったら伝えておいてくれ、ここから手を引いてくれとね」
「お前たちの・・・目的はなんだ・・・」
相手を殺すことなく、ただ困らせることに特化しているような行動。その理由がわからない私は、ただ問いかけることしかできない。
「目的?う〜ん・・・」
その問いに男は腕を組んで頭を悩ませる。全く悪人のようには見えないその姿にますます困惑の色が深まる。
「まぁ、簡単に言うなら、困らせたいんだよ。お前らを」
「何・・・」
どんどん視界もなくなっていく中、そんな惚けた回答で納得できるわけもない。そう反論しようとしたが、私の意識はそこで途絶えてしまった。
シリルside
「ナツさん!!シャルル!!」
「エルザさん!!セシリー!!」
開けたところについた途端、皆さんの倒れている光景に驚愕し、すぐさま駆け寄る。明らかに不審な相手がいるのに、本来なら完全に不用意な動きをしてしまった。
「ありゃ、面倒くさいのがきたな」
「大丈夫よ、十分効いてるみたいだし」
完全に自分たちに意識が向いていないはずなのに、オレンジ髪の男と緑髪の女はこちらに何かを仕掛けてくる気配がない。
ドクンッ
「!!」
走り出した直後、先程までの体調不良が増したような感覚に襲われる。それはあまりにもひどくて、その場にうずくまってしまった。
「ナツさん!!」
真っ先に駆け出していたウェンディは一番近くにいたナツさんに駆け寄っている。動けない俺は、こちらから状況は把握しようと頭を働かせながら、周囲を見渡す。
(といっても、何があったかはすぐにわかるけどね)
恐らくこいつらがこの異常気象の原因で、それを解決するためにナツさんたちが挑んだが、返り討ちにあってしまったのだろう。
見たところ相手は二人だけ・・・でも、全員が倒されていることを踏まえると、相当な実力者であることは間違いないだろう。
「シリル!!立てる!?」
「なんとか・・・」
ウェンディがこちらに気付いたようで声をかけてくれる。心配してくれているのはわかるんだけど、どうにも調子が上がらないせいか、リアクションもできない。
「私たちが何とかしないと・・・」
皆さんがやられてしまったからか、妙に気合いが入っているウェンディ。それは俺も同じはずなんだけど、やっぱり調子が上がってこねぇ・・・
「ホントだ、これなら問題無さ
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