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幻想甲虫録
白羽の子 ー放て、究極奥義ー
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ウゴがダメージを受けていた。無理もない、体格の差が違いすぎるのだから。


轟天「どうした?今にも倒れそうではないかソウゴォ!」

ソウゴ「うぐ……」

霊夢「ちょっと、しっかりしなさいよソウゴ!正邪の時みたいにボロボロじゃん!」

轟天「その程度でムシキングに、甲虫の魔王になろうとでもいうのか!もしそうならば片腹痛し!!貴様の夢、ここで覚ましてやろう!!」


前足が恐ろしい勢いで振り下ろされた。


魔理沙「ソウゴ危ない!!」

ギルティ「避けろーっ!!」


魔理沙とギルティが叫ぶも、当然間に合うわけがない。振り下ろされた前足がソウゴの頭に直撃した。



ゴワアアアアアアアアン



ソウゴ「!!!」

霊・魔・ギ「「「ソウゴ!!」」」

コクワガタ「かぶとむしさん!」

ソウゴ「ッ………グゥ……ッ…………」


人里でアヌビスに対して使ったダゲキ技、激震。脳が揺れ、視界が波のように揺れる。
だがソウゴは気合いで耐え抜き、自身の最も得意とする技を発動しようと轟天の前から挟み込んだ。


ソウゴ「食らえ……!『トルネードスロー』ォォォォォォォ!!」


全力を出すと同時に轟天の全ての足が宙に浮く。


霊夢「や、やった!持ち上がった!」

コクワガタ「でも……なんかぎこちないね」


なんとか持ち上げたのはいいものの、先ほどのダメージと轟天の重みのせいでどこか不安定な形になってしまっていた。


轟天「甘いわぁ!!」


ソウゴを引き剥がし、何度かどつく。そして大きく発達した左顎でソウゴの脇腹めがけて殴り飛ばした。
吹き飛ばされたソウゴはそのまま大木までまっしぐら。



ズドオオオオオオオオン



ソウゴ「ガ………ゴ………」


激突し、地に倒れ伏し、ピクリとも動かなくなった。


ギルティ「おいおいマジかよ……10メートルか?あいつもスゲェ吹っ飛びやがった………」

霊夢「ちょっと!今のはさすがにまずいんじゃない!?」

コクワガタ「もしかしてあのかぶとむしさん、まけたの?」

魔理沙「ああ…完全に決まったな……」


どこからどう見ても勝負はついた。動かなくなったソウゴを見て轟天もこれ以上の攻撃は不要と判断し、霊夢たちに目を向けた。


轟天「安心しろ、これ以上あいつに手を出す必要はない。聖、ソウゴの治療を頼んだぞ」

聖「全く、あなたという虫は………わかりましたよ。それじゃあ霊夢さんたちも中へ」


轟天に殴り飛ばされ、さらには大木に激突し、気絶したパートナーの姿を見た霊夢に悔しさが込み上げてきた。


霊夢「うう……正邪の時もそうだったけど、ソウゴにあいつら
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