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Fate/WizarDragonknight
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 ハルトの問いに、紗夜は押し黙った。

「分かりません」
「……ねえ。会うのが二回目の俺が言うのも変な話だけどさ。俺に話してみたら? 楽になるかもよ」
「……」

 紗夜は口を閉じる。ハルトのオールに合わせて、彼女の髪もまた上下に振動を繰り返していた。

「姉だからなんだってのよ」

 その声は静かだった。だが、沈黙が支配する湖面において、その声はどこまでもはっきり残っていた。

「え?」
「お姉ちゃんお姉ちゃんってなんなのよ! 憧れられる方がどれだけ負担に感じてるかわかってないくせに?」

 決壊した紗夜は、もう止まらない。ボートの側面を叩き、叫ぶ。

「何でも真似して! 自分の意思はないの!? 姉がすることがすべてなら、自分なんて要らないじゃない!」

 ハルトはこっそりと、右手にドライバーオン、左手にサファイアの指輪を入れておく。

「何でもかんでも私の後を追いかけて! そのくせ、私の努力を、全部簡単に飛び越えて!」

 紗夜が、さらにボートを力を込めて叩いた。それにより、ボートが軽く揺れる。

「期待されるのがどれだけ辛いと思ってるの? そんなのに、お姉ちゃんお姉ちゃんってまた追いかけてきて……! 距離の取り方なんて、分かるわけないじゃない!」

 そこまで叫んで、紗夜は肩を揺らせた。
 ある力を全部使って叫びきった彼女は、やがてハルトの顔を見てはっとする。

「っ! ……私……」

 謝ろうとする彼女を制し、ハルトは言った。

「それでも……期待してくれるだけ……こっちに何かを向けられている、そういう関係があるだけでも、幸せだと思うよ」
「松菜さん?」
「……いるからな。関係さえ分からない……本当に妹って呼んでいいのか分からない人がいる奴も」

 ハルトは紗夜から、波打つ水面に目線を映した。水の中の方が暖かそうな空間の中、自分の姿だけがはっきりと見えた。

「余計なお世話かもしれないけどさ。もっと、話そうよ。妹さんと。そうすれば、何かが変わるかもしれないよ」
「……」
「俺は、君が抱えているものを、今君が言ったこと以上のことを知らない。でも、どんな結果になるとしても、後悔だけはしないでほしいんだよ。妹のことで」
「……松菜さん、それはどういう……?」
「もう勝負は決まったみたいだし、そろそろ戻ろうか」

 ハルトは、紗夜の言葉を遮った。
 すでにゴール地点では、三組のボートが勝負を終え、乗っていた人たちも船着き場に上がっていた。
 紗夜は、それ以上ハルトに割り入ることができないのか、賛成の色を浮かべた。

「え? は、はい……」
「俺たちが最下位だけど……確か、命令が誰かに来るかまでは、指定されていなかったよね?」

 そう言って、ハ
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