暁 〜小説投稿サイト〜
幻想甲虫録
青黒く青白い弟
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ウも別れを告げると、騒ぎが起きている中心へ向かっていった。
ちょうどその時、店主が苺味のシロップと練乳と思わしきものがかかったかき氷を持ってきて、それをザミーゴに差し出した。


団子屋店主「待たせたな。これがかき氷っていうんだ」

ザミーゴ「おっ、できたか。どれどれ?」


ストロースプーンですくうと、ゆっくり口の中へ運ぶ。
すると………。


ザミーゴ「ゥンまああ〜いっ!!!!こ、これはぁ!!この味はァァ!!」


今まで食べたことのなかった氷菓子。口に入れるなりザミーゴは絶叫した。
口の中に広がるいつもの冷たさ、シャリシャリした食感、舌に大きく広がる苺の味、トロトロの練乳。いつもかじっている氷とは大違いだった。


団子屋店主「気に入ったかい?」

ザミーゴ「ああ!気に入ったよ!こういうのもいいかもしれねぇな!」


相当美味しいと感じたのか、がっつくようにかき氷を食べた。










ザミーゴがかき氷を食べているその頃、ヘルクスたちが向かっている騒ぎの中心にて。


???「ウスノロ共が!!!待たせすぎだ愚か者めらが!!!吾輩が時間にうるさいことを知っててわざといじってるのだろう!!?」


元凶はこの暴れるカブトムシだった。姿はどこかヘルクスに似ているものの、前翅が青白い。このカブトムシは『ヘルクレスリッキーブルー』というヘルクレスオオカブトの亜種だった。
青白い前翅ばかりでなく、彼にはもうひとつ特徴がある。それは青黒い体だった。


???「―――――です!道を開けてください!」


逃げ惑う人々の中から声が聞こえ、逃げ惑う人々の間を割るように現れたのは1人の妖狐と1匹のブルマイスターツヤクワガタ。藍とケイジロウである。
どうやら犯罪者や野良虫がいないか共にパトロールしていたようだ。


ケイジロウ「動゛く゛な゛!!国゛際゛警゛察゛だ゛!!」

藍「また待ちきれずに人里を荒らしてるのか!常習犯ルリッド!」


この暴れている青黒いリッキーブルーはルリッドというようだ。藍とケイジロウの怒鳴り声にすぐさま振り向く。


ルリッド「また吾輩を倒しに来たのか、八雲の式に警察クワガタ!たまには吾輩の話を聞こうと思わんのか!」

藍「お前が常習犯として何度も人里を荒らしている以上、ここで話を聞くわけにはいかん!」

ケイジロウ「話は紫さんの家で聞かせてもらう。今日という今日こそ逮捕だ!覚悟しろルリッド!!」


先手を取ったのはケイジロウ。ルリッドを横から挟み込み、振り回す。
そして空中に放り投げられたルリッドの巨体。ケイジロウは羽を広げ、落ちてきたルリッドの体を回転しながら飛びかかると同時に大顎で挟み込み、地面に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ