第一章
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耳が聞こえない猫達
サラ=リーベック赤髪を長く伸ばし大きな緑の目と見事な胸を持つ中背で丸い顔の高校生の彼女は地元ノースカロライナ州のレスキュー団体でその白い雄の子猫を見て施設のスタッフに言った。
「この子だけがですか」
「はい、一緒に保護された母猫も兄弟達も里親に迎えられて」
スタッフは彼女に答えた。
「後はです」
「この子だけですか」
「ですが」
それでもとだ、スタッフはサラに難しい顔で話した。
「この子は耳が」
「聞こえないんですね」
「ですからこのことはです」
「念頭に置いて」
「育ててくれますか」
「はい」
サラは答えた。
「お話を聞いて最初からです」
「そのおつもりで、ですね」
「ここに来ましたから」
だからだというのだ。
「家族に迎えさせてもらいます、両親もです」
「その様にですね」
「決めています」
「ではお願いします」
「はい、じゃあ行きましょう」
「ニャア」
子猫はあらぬ方を見て鳴いていた、それを見てもこの猫の耳が聞こえていないことは明らかだった。
だがサラはその子猫をケースに入れて家まで連れて行った、そして彼女の両親に会わせてそれからだった。
家の二匹の先住猫のスノーとボンバ二匹共雄で白猫である彼等にも紹介した。
「この子達が貴方のお兄さんになるのよ」
「ナア」
「ニャウン」
二匹はその子猫、キングと名付けられた彼に優しい声で挨拶をした、だが。
やはりキングは聞こえていない態度だった、それでだった。
サラはすぐにスノーとボンバに話した。
「この子耳が聞こえないからね」
「ニャア」
「ミャウン」
二匹はわかったという風に鳴いて応えた、そして。
サラも両親に耳が聞こえないキングに身振りをして何かと教えていった、だがそれ以上にであった。
「ニャオン」
「ミャオン」
スノーとボンバは同じ猫としていつもキングに寄り添って足や口、舌を使って教えていった。するとキングは。
耳は聞こえないがそれでも順調に知るべきことを知っていった、ご飯の食べ方やトイレの仕方にだった。
家の中でしていいことも悪いことも覚えた、そうして普通に暮らせる様になった。ハンデはあってもそれでも幸せだった。
サラはその彼を見て笑顔になった、そのうえで大学に進学し地元を離れたが借りた部屋の管理人のバルボ=リベラ大柄で丸々とした身体のアフリカ系の彼がだった。
サラからキングの話を聞くと彼女を自分の家に案内してだった。グレーと白の八割れの大きな猫とその猫にそっくりの四匹の小さな猫達を連れて来た、リベラは妻のデボラ夫と同じく大柄で丸々としている彼女と共にサラに話した。
「子猫達はチューベロ、マノカ、リス、トゥーグルというんだ」
「
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