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幻想甲虫録
幕間1:役立つ時は唐突にやって来る
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じゃないですか!?」

イーストシー「え…?ナマコ……?」


和長のナマコという一言でイーストシーが固まった。机に置かれたナマコを見てシグルドは。


シグルド「絶対使い方違うと思うが………もう考えんのめんどくせぇ!ヤケクソだぁ!!」


大顎でナマコをつかむと、イーストシーめがけて勢いよく投げつけた。
『ベチャッ』という濡れた雑巾が叩きつけられたような音がしたその瞬間だった。


イーストシー「アバババババババババババ!?」

シグルド「え?」


イーストシーの身に異変が起こった。ナマコをぶつけられただけで痙攣が起こったのだ。
痙攣が起こったと同時に窓から転落するイーストシー。何が起きたと言わんばかりに唖然とするシグルド、霖之助、和長。


イーストシー「だ、ダメだ………吐き気が……頭痛が……僕はナマコアレルギーなのに………ひどいよ………!何でこんなことを平然と………!」

霖・和・シ「「「そうだったの!?」」」

イーストシー「まさか……デストロイヤーの仕業か……!?て、撤退……『キリガクレ』……!」


苦し紛れにキリガクレで逃げるように姿を消した。彼が倒れていた場所には彼が盗もうとしたあのカードが散らばっているだけだった。


シグルド「…………アレルギーだったのか」

和長「って、霖之助さん!?商品が!」

霖之助「そんな!どさくさに紛れてうちの商品が消えてる!?」

シグルド「うわぁ……こりゃあのマゼンタ野郎の言う通りナマコが必要かもなぁ………」


だが霖之助たちのみならず、イーストシーはまだ知らなかった。デストロイヤーが幻想郷各地を回り、対策として住民に次々にナマコを配っていることを………。
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