六十八匹目
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
きにくい相手はこのリベレーソの周辺にもいる。
最も身近な例はスライムだ。
「シラヌイ、貴方は慎重すぎるのよ」
「クーちゃんが能天気すぎるだけでしょ」
と言うとクーちゃんがムッとした顔をして食器を近くのテーブルに置いた。
そして僕の頭に手を伸ばす。
「お仕置きよシラヌイ」
「え?」
ずぼって耳に指を突っ込まれた。
さふさふさふさふさふさふ!!!!
「ふやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?」
side out
「うゆぅ…!」
「シラヌイ―?」
クーコが調子に乗った結果シラヌイが拗ねてしまった。
今はシャクティの翼に隠れてしまっている。
「ほらー、プリンよ? 食べないの?」
とクーコがスプーンを差し出す。
「おい姫様私の羽に着けるなよ」
「もしつけたら?」
「口にケーキをねじ込む」
そんなやり取りをしながらもシャクティはシラヌイの意を汲んでシラヌイを翼で隠している。
クーコもそれはわかっていても言わない。
まぁ、ただの茶番である。
シラヌイが面倒な女ムーブで遊んでいると、遠くが少し騒がしくなっていた。
人だかりができていて中心が見えない。
クーコ一味がいるのが端っこなので、ちょうどホールの真ん中あたりだ。
「何かしら…シラヌイ」
「はいはい」
飽きたのかシャクティの翼から出てきたシラヌイが耳を澄ます。
「..........えぇ?」
「どうしたの? 喧嘩?」
「や…なんか…ギャンブルしてる」
「ギャンブルぅ?」
クーコがいい物を見つけたと言わんばかりの笑みを浮かべる。
「ちょっとクーちゃん?」
「な、なにかしら?」
「ダメだからね」
「えー」
シラヌイがメリーに視線を向ける。
「ぬいちゃんの、言う通り。意味ない」
「見るだけ、見るだけだから」
とクーコが人ごみに向かう。
そしてそれに追従するように、しょうがないなぁと三人が付いていくのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ