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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
傾国の乙女と夢で繋がる話
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ナーがいたことすら知らなかった。
でも、彼女は僕のことを知っている。どうして?

「…以前の世界のこと…覚えてる?」
「以前…もしかして知ってるの?」

以前の世界。
それは僕が生まれ育った世界のことであり、この崩壊世界とは全く違う世界線。
僕はそれを聞くと、ユゥユゥは頷いた。

「マイマイが這いよる混沌を倒す時、何の力を借りたか…覚えてるよね?」
「それは…生ける炎の力を…!?」

僕は以前の世界にて、這いよる混沌と対峙した。
そこで彼の弱点を突くために生ける炎の力を"拝借"したことがある。
いずれ生ける炎に会うかもしれない未来の世界線を観測し、そこから炎を無許可で前借り…もといぶんどるといったかなり強引なものだったけど。
そして僕は、1つの答えに辿り着く。
フォーリナーはそれぞれ、旧支配者や旧神の力を宿している。
とすると彼女は…。

「君をフォーリナーたらしめるのは…"生ける炎"?」
「当たり。天子様の力を使ったから、こうしてユゥユゥとマイマイは出会わなければならないという縁が出来た。因果逆転みたいなものかな?それにね…。」
「…!!」

彼女の腕が、僕の右腕を優しく撫で上げる。

「あなたの中にいた"黄衣の王"。天子様とはとても仲良しだって聞いてるから。」

そう、かつて僕にも、"それ"はいた。
今はいないが、僕の右腕に潜んだ旧支配者。

それとだ、
僕はまたある事を思いついた。

「傾国…。」
「えっ?」

ユゥユゥの顔がひきつった。

「傾国偽娘…。吉原で働いてた時、僕そうやって言われてたんだ。だから傾国繋がりで縁も出来たんじゃないのかな?」
「あ…あぅ。」

これは少し前の話だけど、僕はこの世界に来てお栄ちゃんと離れ離れになった時、吉原で働いていたことがある。
男の娘専門店っていうけっこう人を選ぶところだけど、僕はそこで人気ナンバーワンになったんだ。

僕の噂を聞き付け、国の偉い人とかが来たりしたんだけど…うん。男っていうのはとても単純なんだって思えた。
次々とお客さんを骨抜きにし、政治もままならぬなんにもやる気が起きない状態に陥らせてしまったことがあるんだ。

それを見て、吉原の住人が楊貴妃のようだと思いこう言ったそうだ。

国を傾けかねない男の娘。
傾国偽娘(チングオウェイニャン)』と。

「きっとそういったものもあると思うんだ。多分同じ傾国繋がりでさ。」
「…。」

新たな共通点を見つけて、嬉しくなってしまうも何故か楊貴妃は嬉しくなさそう。
それどころか頭を俯かせ、ふるふると方をふるわせている。
あれ…もしかして…。

「け…」
「け?」
「傾国って言わないでぇ〜〜〜!!!」

泣かせてしまった。
その場に
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