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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
傾国の乙女と夢で繋がる話
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「…。」
「あの…えーと…。」
「?」

と、さっきまで威厳たっぷりだった彼女の表情が急に崩れた。

「もう…いいかな?」
「え?」
「その…堅苦しいのは、苦手?」
「うん…まぁ。」
「そ、そっか。じゃあ改めまして!」

言うなればさっきまでのそれは楊貴妃としての威厳を保ったもの。
そして今話しているこれが本性。というべきなのかも。

「あたしはフォーリナー楊貴妃。ユゥユゥって呼んでくれたら嬉しいな!」
「じゃ…じゃあユゥユゥ…さん。」

そう呼ぶと彼女はふくれっ面をして不機嫌そうになる。

「違う違う。"さん"はいらない。こうして会えたのも"縁"が引き寄せてくれたんだし、もうあなたとあたしは友達同士なんだから!」
「そう…なんですね。」
「敬語もダメ!」

砕けた話し方でいいよ。なんて言うけど相手はあの楊貴妃様だ。
恐れ多くて普通に話すことすら出来ないよ。

「ほら!ユゥユゥって呼んで!」
「ユゥ…ユゥ。」
「ダメ!もっと自然に!」

と、彼女は僕の腕を掴んで擦り寄ってくる。
その豊満な二つの果実が僕の腕に押し当てられているわけで、思わず目を逸らしてしまう。
なんだろうこの子?わざと?それとも無意識でやってる?

「そうだ!折角来てくれたんだしおもてなしをしないとね!マイマイはライチ好き?」
「マ、マイマイ?」

何かカタツムリみたいなあだ名をつけられちゃった。

「そ。葛城 舞。だからマイマイ!そうやってあだ名で呼んだ方がマイマイも呼びやすいでしょ?」
「そう…なんだ。」

と、その後僕は彼女に引っ張られてどこかへと連れていかれる。
そこにあったのは色とりどりのフルーツ。
滅多にお目にかかれないような高級そうなものがお皿に盛り付けられており、鮮やかなフルーツは瑞々しくておいしそうだ。

「…。」

とにもかくにも、ここで頂かないって言う選択肢はあまりにも失礼だろう。
なので僕は彼女のオススメであろう、ライチを手に取る。

「…おいしい。」

皮をむいて中身を齧ると果汁が溢れ、独特の甘い匂いが鼻に伝わってくる。
おいしい。
ただそれだけしか出なかった。

「でしょ?」

と、ニッコリ笑顔でまたライチを差し出される。
楊貴妃はライチを好んで食べた。この辺は僕でも知っている。
他にも美容のために真珠を溶かして飲んだりとかも聞いたことがある。

「そういえば…。」
「なぁに?マイマイ。」

その呼ばれ方にまだ多少の恥ずかしさを覚えつつも、僕は思ったことを尋ねる。

「さっき…"縁"が僕たちを引き寄せてくれたって。」

楊貴妃…ユゥユゥは確かにそう言った。
けど、僕は彼女という存在と会ったことは無いしそういったフォーリ
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