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4月、僕達は4年になり、県の職員の採用試験が差し迫っていた。
「慎二は民間受かってんだろ」
「うん 内定貰ってるけどな 大阪本社だけど、長崎の試験場希望してんだ。どうなるか、わからんしな 公立の研究センター、受けるつもりだよ モトシ 決めたか」
「沖縄のセンターにとりあえず受ける 受かれば、それで良いし、なんとか、海の環境を守る研究が出来ればいいなと思っている」
「美波は地元の漁協に行くらしいけど、気になるのは、葵なんだよ 言わないんだよ なんか、聞いてないか」
「僕にも、言って無いんだ 地元の教員の採用試験だと思うけどな 詩織には、一緒に受けようと言ってたらしいが、民間の方が直ぐ辞められるから、その方が良いかな なんてことも言ってたらしい」
「そうか 気になっているんだよ あいつ もしかして、と思ってな」
「慎二のこと、待っているのか?」
「わからん でも、就職がはっきり決まったら、確かめるつもりだ もし、俺でも、いいって言ってくれるのか」
- - - - - ☆ ☆ ☆ - - - - -
夏が来る前、僕は、県の採用試験には受かっていたが、僕の希望している研究センターへの勤務では無いらしかった。慎二は、研究センターには合格できないで、民間の水産会社の長崎の実験場に行くことが決まった。光喜は地元の市役所に勤めるらしい。
慎二は葵には、数年後には、一緒になるから、それでも良ければ、待っててくれと言ったらしい。当然、葵は、それでも良いと言ったと思う。
大変なのは、僕の方だ。本当に僕の目指しているものとは違うので、職を変えるかも知れない。そんな状態で絢を連れて行けない。
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