第四章
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「そうね。じゃあ」
「部屋までね」
「お願いするわ」
「うん、それじゃあね」
彼は笑顔で私を自分の車に乗せてくれた、そしてだった。
扉の前に二人で来た、そこで別れを告げて帰った。
部屋に入ってシャワーを浴びてパジャマに着替えてゆっくりしているとそこに彼女が帰って来た、見ればしこたま酔っている。
そのふらふらとした足取りと赤い顔で私にこう言ってきた。
「何か機嫌いいわね」
「あんた程じゃないけれどね」
「いや、飲んだわ」
バッグをソファーの上に置いて私の横に来て言ってくる。
「本当にね」
「大学のコンパだったの?」
「そう、それ」
まさにそれだったというのだ。
「それで飲んだのよ」
「随分飲んだみたいね」
「食べ放題飲み放題でね」
それでだったというのだ。
「飲んだよ、かなりね」
「そうなの」
「ビール大ジョッキで五杯ね」
「一リットル?」
「そう、それで五杯よ」
「そんなに飲んだの」
「で、食べたのは飲茶に麺にね」
典型的な台湾のおつまみだった。
「蒸し餃子に豚バラにね。ピータンも食べたわ」
「家鴨もなの」
「そう、家鴨はやっぱりいいわね」
「いいと思うけれどそこでまた家鴨なのね」
「ええ、家鴨よ」
まさにそれだと返す彼女だった。
「あんたにそっくりのね」
「素直じゃない」
「けれど味はいいのよ」
「味はいいって私が?」
「だから私も同居してね」
言いながらテレビを点ける、けれど今回は番組ではなくてゲームをはじめた、私の横で赤い顔でコントローラーを動かしだした。
「一緒にいるのよ」
「そうなの」
「そうよ。嫌な奴とは誰も一緒に住まないでしょ」
「確かにね」
「あんたがいいから一緒に住んでるのよ」
「鴨子でも?」
「性格はいいから」
それでだというのだ。
「親切だし面倒見がいいし優しいしね、あんたh」
「私が?」
「素直でなくてもね」
それでもだというのだ。
「あんたはね」
「いい人なのね」
「そう、だから」
それでだというのだ。
「一緒にいるのよ」
「そうなの」
「そう、ただね」
「素直じゃないっていうのね」
「そうよ。その彼だって」
「私の性格を見てなの」
「幾ら顔がよくても性格が悪いと」
それでだというのだ。
「駄目でしょ」
「確かに、それはね」
「あんたはトータルで見て性格もいいから」
「そういう意味でも家鴨なのね」
「家鴨は味がよくて卵を産むだけじゃなくて」
それに加えてだった。
「外見も可愛いしね」
「偉そうでもいい鳥だっていうのね」
「そういう意味でもあんたは鴨子なのよ」
「けれど鴨子のままだと」
「あんたにとってもよくないからね」
またこの話になった。
「だから気
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