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ハッピーフォックス
第一章
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                ハッピーフォックス
アメリカニュージャージー州プリンストン在住のフィリップ=ワンは髭とサングラスが似合うアジア系の男性だ。大きな中華レストランを経営していて収入はあり家も立派だ。
 その彼に庭に何時の間にか子狐達がいた、それで妻のミカエラやはりアジア系で黒髪都黒い目で切れ長の目の彼女に言った。
「狐がいるね」
「そうね、気付いたらね」
「うちに居付くのかな」
「そうじゃないかしら、けれどよね」
「うちの庭は広いし狐に荒らされて困る場所もないし」
 家の中で熱帯魚を飼っているが家の中に入って水槽に入られないと食べられる恐れがないのでそれはいいとした。
「それじゃあね」
「別にいいわね」
「うん、それじゃあね」
「けれどね」
 妻はここで夫に言った。
「五匹いるけれど」
「子狐達は」
「母親は何処かしら」
「まだ子供だから親が必要だけれど」
「何処にいるのかしら」
「ひょっとして」
 夫はここで考えて言った。
「ここは安全だから子供達を置いて」
「野生の場所じゃないから」
「お昼は狩りに出て」
 そしてというのだ。
「夜に戻ってね」
「ご飯をあげてるのかしら」
「そうかもね、まあ子供達が成長したら巣立つし」
 そうなるからだというのだ。
「それまでいてもいいよ」
「そうよね」
 こう話してだった。
 二人は子狐達を家の庭にいさせた、そして写真も撮ったりしていた。狐達は昼はいつも仲良く遊んで寝ていて。
 夜になるとだった。
「コン」
「コンコン」
「コ〜〜ン」
「コオン」
「コウン」
「コオ〜〜ン」
 母狐が戻って来た、そして。
 自分のところに嬉しそうに集まる子狐達にご飯をあげていた、夫婦はその様子を見てやはりそうかと思って笑顔になった、そのうえで彼等を見ていたが。
 やがて子狐達が成長すると六匹共庭を去っていた、夫婦は彼等がいなくなった自宅の庭を見て彼等に幸あれと思った。
 そしてだった、近くの牧場にいるアイラという雌の狐がそれぞれ白と黒の二匹の雄のプードル達と遊んでいるのを見て夫婦は牧場で働いているカウボーイ風の青年に言った。
「随分仲がいいね」
「狐と犬なのに」
「ええ、アイラはです」
 青年は夫婦に話した。
「実は毛皮工場にいてそこからです」
「助け出されたんだ」
「そうした娘なのね」
「それでうちのボスが引き取って」 
 牧場の経営者がというのだ、見れば牧場には多くの牛達もいる。
「育てています」
「そうなんだね」
「この娘も」
「それでうちの番犬達のうちの二匹の」
 二匹も見て話した。
「ホワイトとブラックとすぐに仲良くなって」
「ああしてか」
「楽しく遊んでるのね」
「そうなんです、狐と犬ですが
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