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犬に護られる猫
第二章

[8]前話
「ワンワン」
「ニャオン」
「ニャウン」
「ミャウン」
 三匹の猫達は犬に寄り添っている、赤毛で黒い目で丸い顔のマチアはライザに話した。
「犬はハデスっていってね」
「ギリシア神話からね」
「そう、それでお母さん猫はニコールっていって」
 猫の名前も話した。
「銀と黒の子はサーシャ、茶色と白の子はマリーっていうの。三匹共雌よ」
「そうなのね」
「実はニコールはずっと野良猫だったの」
 マチアはライザにこのことも話した。
「けれど前からハデスと仲良くてね」
「そうだったのね」
「それでニコールが妊娠した時に」 
 その時にというのだ。
「自分の犬小屋に入れてあげてね」
「出産してもらったの」
「それを見てね、家族会議をして」
 そしてというのだ。
「ニコールも子猫達もね」
「家族にしたのね」
「ハデスが子猫達を産む間ずっと一緒にいたから」
 それを見てというのだ。
「そうしたの」
「そうなのね」
「それでライザのお話を聞いたけれど」
「犬と猫でも」
「愛情が生まれるのね」
「そうね、人間と他の生きものとの間でもで」
 ライザもそれならと頷いた。
「そしてね」
「犬と猫の間でもね」
「愛情が生まれてね」
「仲良くなれるわね」
「ええ、だったら」 
 ライザはとても仲のいい四匹を見て話した。
「マチアもこれからも」
「この子達と家族でね」
「仲良くしていくわね」
「そうしていくわ」
「そうするわね」
「それが最高の生活だから」
「ええ、じゃあこれからも皆でね」
 仲良く話してそうしてだった、
 ライザはハデスと猫達に近寄り彼等の頭を撫でた、すると彼等は尻尾を振って喉を鳴らした。その間も彼等は寄り添い合っていた。


犬に護られる猫   完


                  2021・7・17
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