玄徳とシャルロット
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玄徳「近くの住人ががみんなカニバリズムでな。食わせる代わりに俺が殺したことを黙っててもらったんだ。警察が来てもカニバリズムによって襲われて食われたって話も聞いてたしな」
話が終わった頃には紺子たちの全身に寒気が走り、鳥肌が立っていた。
だがすぐに切り替えると、竜奈が種族について聞いてきた。
竜奈「もうひとつ聞きたいが、お前の種族は何なんだ?」
玄徳「そうだな………まず俺はハーフだ。エジプト神話の『セベク神』とマヤ神話の悪神『カマソッソ』のな」
辰美「セベク神?」
竜奈「悪神カマソッソ?」
玄徳の体に生えたワニの尻尾とコウモリの翼。セベク神と悪神カマソッソとは一体何なのか。
その疑問に答えるかのようにコーティアが説明し始めた。
コーティア「セベク神はバステト神の全猫と同じくエジプト神話に出てくる神だ。全猫は名前の通り猫の神だが、セベク神はワニの神。見た目がワニだから尻尾もワニなんだ。悪神カマソッソはコウモリの悪神だ。とにかく、玄徳はそいつらの血を引いている。まあ、そいつらに虐待されていたせいでその血も毛嫌いしているがな」
紺子「じゃあその女の子は?」
玄徳「この子か。数日前だったかな…親父のお使いでスーパーで夕飯の買い物をしてた時だった。買い物を終えて帰ろうとしたら、シャルロットがいてな。ひどいケガだったから残ってた金で包帯やら消毒液やら買って応急処置してやったんだ。で、その後親元に返そうかと思ってた矢先、あっちから来たんだが…………雰囲気から察してやめた。それは単純な理由だった………この子も俺と同じように『虐待』されてたからだ…………!」
ガシャーン
淡々と話していたが、玄徳の声には怒気が混じっていた。同時にその場にあったゴミ箱が玄徳の尻尾によって倒され、凹んだ。
またかと言わんばかりに呆れるコーティア。倒されたゴミ箱を立て直すと、凹んだ部分を魔術で元通りにした。
玄徳「で、俺があいつらを説得してやった。そしてこの子を保護して今に至るというわけだ」
コーティア「ちなみにシャルロットという名は我がつけた名前だ」
紺子「先生がつけたのかよ」
竜奈「しかし玄徳といいシャルロットといい、その者たちの親は最低だな。聞いただけで虫酸が走ったぞ」
コーティア「それだけじゃない。シャルロットが家に来て悩みもできた」
辰美「悩み………ですか?」
紺子「幸せな悩みか何かか?」
コーティア「いや…シャルロットが玄徳のことを………『旦那様』と呼んでな………」
紺・辰・美「「「旦那様!?」」」
予想より斜め上だった。3人は唖然とし、玄徳を白い目で見る。
玄徳「ご、誤解
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